誅side
『今日から、このクラスの担任となります、青島 誅です!よろしくお願いします……』
教卓に立って軽く挨拶をした僕。
男『……先生!』
『……はい、君……!』
男『先生は、独身ですか……?』
なんて質問だ……
『……あぁ……はい、』
瑠雨『……はい!』
『……君……ぁ……黄川さん!』
僕が当てると、立ち上がる。
まぁ、瑠雨くんなんて、言えないからなぁ……
瑠雨『先生は、何が得意ですか?』
『……バスケ……かな?』
女『え!?バスケやっているの?』
女『かっこいい……!』
男『いや、可愛いだろw?』
女『……ん?』
男『……え?』
次々に騒がしくなる教室
まぁ、いっか……と思って注意しない僕……
『……チラッ』
バレないように目だけ瑠雨くんに移すと、
瑠雨くんは、後ろの席で本を読んでいる。
この騒がしい中で
窓からの光が瑠雨くんに当たり、髪が綺麗に輝く。
『……綺麗……』
まるで、天使のように
キーンコーンカーンコーン
『あ、こ、これで終わりねっ!挨拶……!』
つい、見とれてしまった僕は、慌てて呼びかける
そうして、1時間目が終わった。
『あぁ……疲れたぁ……』
そう言って、教卓にある椅子に座った。
次は移動教室のため、ほとんどの人が教室にいない。
瑠雨『……先生……』
『あ、瑠雨くん……』
教科書を手に抱え込みながら僕の目の前に来た瑠雨くん。
瑠雨『大丈夫ですか?』
『何が?』
瑠雨『疲れていそうなので……』
心配そうに僕の顔を見つめた。
さっきの僕みたいに
『大丈夫だよ……!』
瑠雨『それなら、良かったです……』
そう言って、瑠雨くんは、教室から出た。
瑠雨『……あ、先生……』
『何?』
瑠雨『見すぎですよ……?』
『……え?』
瑠雨『あれじゃ、僕たちを深い関係みたいに思われちゃいますよ、ころちゃん?』
軽く笑みを浮かべる瑠雨くん。
寒気がする
『気づいてたの…?』
瑠雨『凄い、目線が来ますからね』
そう言った瑠雨くんは、笑みを浮かべながら、教室から出ていく。
『……は、恥ずかしぃ……/////』
俺は、顔をうずめた
そして、君の顔を思い浮かべるのだった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。