朝、目が覚めた。
アラームがなる5分前
私は昨日かけた5つのアラームの電源を切った。
布団から起き上がり、1階のリビングへと降りていく。
リビングには誰もいなく静まり返っている。親は寝ていて、静かに動く時計の針は6時を指している。
私は自分で適当にパンを焼いて、ニュースを見ながら支度をした。
登校中、楽しそうに話している女子の3人組がいた。3人のうち1人は気まずそうに距離を取っている。私はそんなのはごめんだ。
学校につき、教室の角の席の私はいつも通り席に座り準備をした。
友達という友達は別にいない。1人の方が断然気楽だ。
……少なくとも、チクリ魔の女子と一緒にいるよりは、ね?
先生が来た。いつも通り主席をとっている。12番目に私が呼ばれたのでいつも通り返事をした。
私には好きな人がいる。でも別に自分のものにしたいとは思わないし、眺めているだけで十分だ。
今年の担任はハズレだ。怒鳴るし体臭はきついし生徒を選ぶ。オマケに熱血なので私はどうも好かれてはいないようだ。めんどくさい。
私は成績は普通だ。だからこそ、担任がうるさい。
「お前ならもっとできる」
……やかましいわ、私はこれで満足してるんだよ。
授業が始まった。
相変わらず、歴史の先生は話が長い。適当にメモをとって終わった。
美術。好きではない。デッサンなどは苦手なので適当に描いて終わった。
はあ。結局いつもと変わらない。
まあ、平凡だけど平和だからいいのかな。
そんな事を思いながら窓を見ていたら、何かが落ちていった。
一瞬、時が止まった様だった。
私は何も考えられないまま外へと走っていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。