海人side
スタッフ「あ、髙橋さん、おはようございます」
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テレビ局ってほんと
どこに行っても人がいっぱいいて
1人になりたいときには最悪な場所
『海人』
その人の声をスルーして立ち去ろうとすると
腕をがっしり掴まれた
近くの椅子に座って
タオルで巻かれた保冷剤を目にあてる
きっと紫耀も今、同じことしてるんだろうな…
俺、国宝の顔面に何してんだろ…
絶対、自分のことだなんて思ってもないだろうな…
今までの俺だったら
廉に会えてラッキー、とか
廉に優しくされてハッピー、とか思ってたけど
そんな気分には、到底なれない
せっかく泣き止んだのに
また涙が溢れて来て、抑えきれない
とうとう耐えきれなくなって
その場を走って去った
本当はあんなこと言いたかったわけじゃないのに…
なんで廉のこと傷付けちゃうんだろう
廉のこと、大好きなのに…
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。