廉side
みんなより少し遅れて撮影スタジオに入った
玄樹と一緒にいる海人の視線の先には
やっぱり紫耀がいた
海人の視線の先にいる紫耀は
何やら岸さんと楽しそうに話している
2人が手を繋いでいることに
きっと海人も気付いている
あぁ…そういうことか、
岸さん、そういうことやったんや
だから俺のこと振ったんか、納得納得
海人が神宮寺のもとに行って
1人になった玄樹に話しかけた
あれ、紫耀が好きなんて言うてた?
俺には「廉のこと、好き…」って聞こえたんやけど
嘘やん、、
聞き間違いやったらめっちゃ恥ずかしいんけど…
玄樹にからかわれた恥ずかしさで
真っ赤になってしまった
告白なんて
軽い気持ちでするもんじゃないって
俺は身をもって知っている
岸さんに振られた時も
正直なところ、岸さんも俺のことが好きやと思ってた
なのに振られたから、相当キツかった
俺にとって告白というものが
トラウマになりつつあるのに
そう簡単に告白なんてできひんわ…
そう思った俺は
ある “賭け” に出ることにした
next…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。