第12話

↳。雷 2.
833
2019/12/20 14:33



teoside

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『俺コンビニ行ってくるから』


そう言って天気が荒れている中スカイハウスを出ていってしまったじんたん。



じんたんが背中を向ける時にちらっと見えたのは、前歯で下唇を噛む仕草。
あれはじんたんが何かを我慢している証拠だ。




じんたんを今一人にさせては行けないと頭では分かっているのに俺の隣には今にも泣き出してしまいそうになっているちぃがいる。


ちぃ「うぁっ,」


雷をこわがっているちぃは必然的にじんたんに似ていて、余計離れられない。





『だいじょーぶだから。よしよし。』


不意にポロッと落ちたちぃの涙を自分のパーカー袖で拭いてそっと抱き締める。

妹のような存在のちぃも大好きで大事な彼女のじんたんも二人ともほおって置けなくて、
ただ今はその後者のじんたんが心配で仕方がない。


ちぃの涙が落ち着いてきて、雨もどんどん強くなってきてもういっそ追いかけに行ってしまおうかと思っていた時、






「ただいま帰りました〜

いやぁ、雨すごいっすね、」

運良く外出中だったまこさんが帰ってきた。



『まこさん!ちぃお願いっ』



まこさんと入れ替わりでちぃから離れると、真っ先に玄関に向かう。

傘を二本持ってスカイハウスを飛び出した。




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『どこっ、!』



いつもの公園。

じんたんが好きなパン屋さん。

新商品の並んだコンビニ。


どこを回ってもじんたんはいない。




もうスカイハウスに帰ったのかもしれない。

-でも玄関の傘は減ってなかった



じんたんずぶ濡れなんじゃ、!?






そう気付いた俺は行く宛てもなく走り出した。


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街並みから外れた、いえば家の裏の方。




『あ、!!!』



そこの人気の全くない細い脇道にいつもの後ろ姿を見つける。

じんたんは俺の予想通り雨に打たれてぐしゃぐしゃになっていた。


今まで歩いていたじんたんは急にピタッと止まったかと思うと、今まで聞いたことの無いほど大きな声で泣き出した。





じん「ふぁぁぁぁぁっぁ~ん」


『!?!?!?!?!?』






俺も思わず驚いてじんたんに駆け寄ると自分の方に引き寄せてぎゅっと抱きしめた。





じん「ふっ~うぁ~ん」


俺の腕の中でまだ泣いているじんたん。
じんたんから滴る雨なのか涙なのか分からないくらい俺の胸元が濡れていく。





『どした~?笑 、
じんたん。大丈夫だから。ね、?よしよし、』

なるべく優しく声をかけてでもめいいっぱい抱き締める。





少しするとまだ泣きながらじんたんが言った。







じん「ておくんがっ、ちぃぎゅってした~、泣」




んん??



『じんたん、それヤキモチじゃん。』




じん「ばかぁ〜〜ぁぁ」




また泣き出したじんたんの顎をこちらに向けて唇を重ねる。





触れるだけのキスをするはずがじんたんがもっともっとっていうように俺の服をぎゅっと掴むから我慢出来なくて舌を滑り込ませた。



じん「んぅ、ておくん。」


名残惜しく唇を離すとえっろい顔をしたじんたん。


血色がいい唇からはどちらのものか分からない唾液が伝っている。







こんなじんたんを見てしまったら俺の俺も黙っていないわけで。










『じんたん、帰って続きしよっか。』



















雨なんて気にならないくらい夢中にさせてあげるから。




















✎あひるの娘


✎雷怖いの↻ておじん






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