てお「お前から来たんだろ、!?」
あのテオくんが怒っている。
それを見た瞬間俺は酷い罪悪感と焦りでいっぱいになって
でも臆病だから、
ドッキリって知られたらテオくんに嫌われるんじゃないかとか
俺の大好きなテオくんをリスナーさんに勘違いされたくないとか
そんな所が頭を支配して、気づけば全身が震えていた。
(俺やらかした...?)
いや。
(やらかしてるよ..)
もうこれはネタにしていつものテオくんに戻ってもらうしかない。
『うちの相方困らせんな!?』
ふとテオくんが笑った気がして一瞬安心したけど
シーン_
だめだ。
これは
(完全に俺が悪い。)
『じゃあ、ひとりずつ謝りましょうか』
やっぱり一人が嫌で、ほんとに臆病すぎて自分でも嫌になる。
『すみませんでした、!!!』
てお「ドッキリ〜♪大成功だね〜♪」
そんな声が聞こえてきて思わず顔をあげる。
そこにはいつものテオくんがいた。
.
.
てお「じんたんいつまで余韻に浸ってんの笑?」
本ちゃんもサブちゃんも撮り終えてスカイハウスに着くと、ソファーに座りながらぼーっとしてしまっていた。
_テオくんが。怒ってなかった。いつもの優しいテオくんで
(嫌われてなかった。)
_よかった。
『ておくん。』
てお「ん?」
『怖かったよ。、』
てお「今更泣いちゃうの〜?w」
『だって、嫌われたかと思ったし
いつもは優しいから、』
てお「俺はあんなことで怒らないよ?w」
『よかった〜、』
てお「ふふ、w もう泣かないのっ。」
隣にきてギュッてしてくれるテオくん。
てお「でもね、俺じんたんが傷つけられたら怒るよ?」
『え?』
てお「だから今ちょっと自分に怒ってんの笑」
『ておくん。』
てお「なんだいじんたん」
『ありがと。』
ちゅ
てお「ばーか、笑」
俺のが上手いけど?
騙すのも不意打ちも。
✎あひるの娘
↳ておじん↻逆ドッキリについて
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。