teoside
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『じーんたんっ』
『遊ぼーよ』
いつもの昼下がり。
いつもの横顔のじんたん。
いつものセリフ。
座椅子に座って編集をするじんたんの隣に座って横からじんたんの首辺りに顔を埋める。
_ふわ
っとこの距離でしかわからないじんたんの匂いに落ちついていた
が.
『!
...じんたん、?』
焦って名前を呼ぶ。
「なに」
でも降ってきたのは冷たい声.
なんか怒ってるの?。
-同様して吐き出してしまいそうになった言葉を飲み込んだ。
『え、いや.ご機嫌ななめ?.w』
「別にそんなことない。」
『あ.そっか。』
そう言いながらさりげなく密着していた体を離す。
.
.
正直泣きそうだ。
じんたんの首の辺りに顔を埋めた時見てしまったもの
そう
"キスマーク"
俺がつけたものじゃない。
俺じゃない誰かがつけたキスマーク。
だから冷たいの?
俺に飽きたから?
昨日までの
甘い
甘い
じんたんはどこいっちゃったの?
下を向いて歪んだ目をそっと伏せた。
映ったのは濡れた自分の靴下だけ。
すると隣に座っていたはずの影が動いて
なんとか涙を引っ込ませてそこに目線を合わせる。
その正体のじんたんはさっきまで開いていたパソコンを閉じて立ち上がったところだった。
『どこいくの、?』
「ちょっと集中できないから図書館でも行ってくる。」
まって。置いてかないでよ。
気付いたらじんたんの袖を掴んでいた-
怖くて。捨てられちゃうのが。
無意識に手が震えていることに気がついた。
『じんたっ ヒクッやぁだ~』
一生懸命堪えた涙が止めなく溢れ出る。
『行かないで、やだっ。じんたんっおれヒクッ』
もうじんたんを止めることに必死で。
「ククククククw」
上から降ってくるいつもの笑い声
『(ふぇ?)?』
思わず顔をあげるとさっきの顔が嘘みたいにめちゃくちゃ笑顔のじんたんがいた。
「テオくん。カメラ!w」
確かにあるけど。。。。!
『そゆーこと泣』
「ごめんwちょこーっと意地悪するつもりだったんだけど泣いちゃったw」
『。。。
じんたあああん!!! ;』
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「ごめんってw」
『ちゅーしてくれたら許す;』
「その先もしてあげる」
じんたんの唇が俺の唇を塞いだ。
結局あれはじんたんが仕掛けたドッキリで。
そして、あのキスマークもドッキリのための小道具で。
じんたんに愛してもらった俺は....
なんというか..満足だった。//
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「この動画はお蔵入り。w
かわいすぎるもん。w」
『じんたんっ
遊ぼーよ』
「はいはい。笑」
✎あひるの娘
✎ドッキリ↻じんてお
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!