隠たちに連れられて、御館様の庭にやってきた
庭に通じる門を開けたところで一般隊士が私に向けて礼をする
強制的では無い、ただ隊士の何人もが柱によって守られているということを誰もが知っている
でも私はまだまだみんなに守られつつ頑張れているということが少し未熟だな、とも思う
そんなことを考えていると目の前を鴉が飛ぶ
びっくりして目を見開くともうそこは御館様の庭だった
みんながこの男の子をどうするか、冨岡さんの事も含め話し合っている
と私にいきなり話が飛んだ
と言うと私の目の前で縛られている男の子が悲しそうな顔をする
私は庇ってくれるだろうとでも思っていたのか、
でもそんな優しい性格を私は持っていない
すると右の方から『ジャリッ』と石を踏んだ音が聞こえ、傷だらけの男の声が聞こえた
この前のおままごとの時とは打って変わって切れた口調だ
でもまぁ当然だろう
しのぶが珍しく怒っている
そんな所も可愛いなんて…、天使カナ?
左を見ると同じようにしのぶに胸をときめかせている蜜璃ちゃんがいた
次に口を開いたとともに不死川さんは鞘から刀を抜くと
そう言うと共に鬼が入っているであろう箱に勢いよく刺した
この不死川さんの行動には柱全員、そばに居る隠も驚きが隠せなかった
そんな中で1人、その行動にブチ切れて不死川さんの元へ走っていく……、
しのぶ、なんて言ってたっけ……
竈門炭治郎、?がいた
竈門くんが不死川さんに頭突きを食らわし、箱を守るような仕草をとる
流石にこれには私も蜜璃ちゃんも耐えられなかった
みんなの視線が2人に集まる
2人、口を揃えて『すみません』と謝った
冨岡さんが『もうすぐ御館様が来る』と口を挟んだとはいえ、素直に頭突きを受ける不死川さんも混乱しているようだった
『ザッ』という音を鳴らし、即座に跪く
竈門炭治郎はもちろんそれに答えられず、不死川さんに押さえつけられた
といつもどうり御館様にご挨拶をするところから始まった
とスラスラ御館様に告げる
この様子を初めて見た人は理性も知性も全くなさそうな男が急にきちんと喋りだしたようにも見える
私も最初はそうだった
と御館様。
承認済みだったことが以外、
だけどそれより、なぜこの鬼を生かしておくのか
私には理解ができなかった
𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!