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第1話

第1話
66
2019/05/27 13:12
目を開けると、そこは────────

























一面の白の世界だった────────…












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8月15日、それは何も無い、普通の日になるはずだった…


しかし、目が覚めると、僕は何も無い真っ白な空間にいた。

目の前には、パッと見僕と同じ歳くらいの少年が立っていて、(いや、正確には飛んでたけど。)

その少年の背中には美しいエメラルドグリーンの羽根があり、僕に───────

『すみませんでした!!!!!!』

と、土下座する勢いで謝ってきた。


「…え?」





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いきなりだったので僕は驚いた。

なんせ、謝られることをされた覚えがないからだ。

と言うかこの子とは初対面だし。

なので僕は、まず頭を上げてもらい名前を教えてもらう事にした。

すると、

『…僕はユーリです。一応これでも精霊王です…。』

…え?

「せ、精霊王!?!?」

『は、はい…。そうです…こんなのですみません…。』

「…い、いえ…。えっと、あの、ここってどこなんですか…?あ、もしかして夢ですか?」
『…いいえ。…実は、貴方は先程お亡くなりになられました…。』

「…は?」

え…、死んだ?
『…貴方が寝ていた時に、貴方の家に雷が落ちました。』

「…ッ!!あ、姉は!姉ちゃんは無事なんですか!?」

雷が落ちたと聞いた時、僕の頭には唯一僕に優しくしてくれた姉の顔が浮かんだ。

『!は、はい!無事です。』

「よ、良かった…。」

『…今まで辛かったよね…ボソッ』

「え、なんですか?」

『い、いえ!なんでもないです!』

何か聞こえた気がしたけど気のせいだったみたいだ。

それから精霊王…ユーリは、僕に、その雷を落としたのが雷の精霊だったらしく、僕が死んだのは監督が行き届いていなかった自分の責任だと。

そして、そのお詫びに記憶をそのままに、また別の世界に生まれ変わらせてくれる、との事だった。
ちなみに僕が生まれ変わるのは、よく小説とかゲームである、剣と魔法のファンタジー☆(苦笑)みたいなところらしく、そこはユーリが作った世界なので、次は不幸な事故とかじゃなくてちゃんと寿命までしっかり生きられるように!!!とユーリが張り切って僕にチートと言う言葉すらも超える力をさずけてくれた。

正直それだけでも十分な気がしたのだが、その後に2つ好きな物を選んで!!!と言われて、僕は魔剣(日本刀みたいなやつ)と無限収納と言うめっちゃ物がしまえるリュックサックを貰うことにした。
それから30分ぐらい、この世界の歴史や魔法の使い方などを軽く教えて貰い、困ったらコレを読んで!とルールブック的な感じの分厚い図鑑を貰った。

また物が増えてしまった…

そんな事を考えていると、
『…本当はもっと色んなこと教えてあげたかったんだけど…もう時間みたいだね…。』

ユーリが少し寂しそうに微笑むと、僕の体は光に包まれた。

そして、大きく息を吸うと。
『ここからが君の本当の物語だ!神崎 真紘くん!!

僕はいつでも上から君の事を見守っている!

さあ、旅立ちなさい!また逢える日まで!!』
意識が朦朧としていく中、僕はユーリの言葉にああ!さよなら!!と手を振り返した。

そして、ユーリはここに来て初めて僕が笑顔になったのを確認すると、次の瞬間、僕はこの白い空間から消えていた。

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