第23話

匂い
3,824
2019/04/27 16:05

🐰

________







初めて
テオくんと同じベッドで眠った。





目が覚めると 背中に暖かくて気持ちいい息遣いを感じて、うれしくて心臓が跳ねる。

起こさないようにそっと首だけ動かして後ろを見ると、テオくんが 俺を後ろから抱きしめるようにして眠っていた。


__ふふ、かっこいいなあ


朝起きて 好きな人が隣で寝てるって
こんなに幸せなんだ...

カーテンの隙間から差し込む日差しで テオくんの明るい髪がきらきら光る。


...まつ毛長い。寝顔もかっこいい...ちょっと可愛いもあるかも


なんて考えながら
慎重に ゆっくり テオくんと向かい合うように体の向きを変えた。



昨日の夜のことを思い出すと
心臓が爆発しそうなくらい恥ずかしいけど、

テオくんが自分を求めてくれたみたいで
すごくすごく嬉しかった。



__あー、テオくんが

彼氏になったんだなあ






...正直、まだ ちょっと不安だ。

男同志だし、
テオくんは好奇心で好きって言ってるんじゃないか、そのうち女の子のところに行ってしまうんじゃないか なんて考えてしまう。



...でも、でも今くらいは

何も考えずに

テオくんが隣に居る幸せを

いっぱいいっぱい噛み締めたい。



今のこの夢みたいな状況を

少しでも長く楽しみたい。





...ずっと

こうだったらいいなあ。







そんなことを考えながら

テオくんの胸に収まるようにくっついて

だいすきな匂いを思いっきり吸い込んで


また眠りについた。


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