第2話
1
放課後ーー
クラスのみんなが部活に行ったり帰ったりしてる中、簓さんはまだ来てなくて。先生と2人きり。
ガラガラガラ
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数分後タクシーが来て、隣に座る。
さっきよりも距離が近いから心臓バクバク言ってる…
手のひらに転がってきたのはメロン味の飴ちゃん。
飴ちゃんを食べれば少し落ち着いてきた。
タクシーに揺られて数十分。
運転手
着きましたー。
運転手
はい、ちょうど。おおきに。
タクシーを出て当たりを見渡せば見たことないところ。
簓さんの後ろを歩くけど、やっぱりすれ違う人みんな、簓さんに気づいとる。
離れて歩いた方がええんかな…
そう思ってちょっと距離を離す。
離れた瞬間、人の流れが多くなって石につまづいた。
コケると思った寸前、簓さんが手を引っ張ってくれた。
ちょっと待って!普通に喋ってるけど距離近いねん!
手を引っ張ってくれたんはええんやけど、そのままなんで抱きしめられてんの!?///
ちょっ…心臓持たへん!!///
落ち着けっ!!!!((←
耳っ!!耳ぃ〜っ…!!!!!///
お願いやから喋らんといてっ!!!///
数分後ーー
人の流れが収まって少し休憩する為近くの公園のベンチに座る。
月宮…無事生還しました…ハァハァ
頬に冷たい感触が来た。
スマホケースに挟んだステッカー見られた…
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お店に入れば絶対高そうな服ばっかり…
簓さんが持ってきたのは白いワンピース。
試着室に入ってタグを見ればゼロが4つと3の数字。
ていうかほんまにこれってデートやん!?((
いや、早く着替えてこのお店出て先生に連絡せな…助けてもらお…((
店員
かしこまりました。
店員
おまたせ致しました。こちらお履きになって下さい。
お店を出て向かったのは簓さんが所属している事務所。
受付のお姉さんに事情を説明して(デートとは言ってなかったけど)メイクさんにお願いしに行く。
手振り返しながら小走りで来たのは茶髪を1束にまとめて肩に流しているモデルさんの様にスラッとした女性。
メイクさん
おぉー、久しぶりやないか簓!
ん?女の人やんな?えらい声低くない?
メイクさん
メイクのお兄さんって歌のお兄さんみたいに言うなや笑
メイクさん
よう言われるから気にせんといて笑。よろしくね笑
メイクさん
簓は来んのか?
そう言って走り去った簓さん。
メイクさん
あいつ変わらんなぁ…笑。じゃあ行こっか笑
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メイクさん
ここ座ってなぁ。あ、名前何?
メイクさん
ふふっ…緊張しとるなぁ笑。ごめんなぁ月宮ちゃん。簓が困らせとるやろ?笑
メイクさん
あいつのすごい所はやっぱりそういう所なんかな…ロケ一緒に行ったら声掛けられて、テレビのまんまやなってよう言われよるわ…笑
メイクさん
その服簓が買ったんか?
メイクさん
それ、簓の好みやねん笑
メイクさん
それは簓なりのやり方なんよ。ほんまは違うけど、白膠木簓っていうキャラを確立させる為にそう言うてるだけ笑
メイクさん
簓の事やったらなんでも知っとるけど、今はどついたれ本舗の2人がおるからなぁ…特に躑躅森盧笙っていう人やな。
メイクさん
そやったんか!すごいな笑
それからテキパキとメイクやヘアセットをしてもらいながら、楽しく話していたら結構時間がかかっていた。
メイクさん
よし、完成!どう?
メイクさん
ナチュラルメイクにしたからあんまり変わらへんけど、可愛なったやろ?
メイクさん
いえいえ笑
コンコン
メイクさん
はーい!
メイクさん
アホ、間違えてへんわ!笑
メイクさん
大袈裟やわ笑。素材がええんや笑
メイクさん
俺次あるから、はよ続き行ってこい簓!
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