Happy Jeno's Day !!!
※リクエスト第六弾
(耳と臍と、それからジェヒョンの声に弱いジェノのスローセックスをリクエストされたので……(幸))
ジェノは分かりやすいやつだ、とつくづくジェヒョンは思う。
例えば、嬉しい時。
ジェノは普段と変わらずニコニコと笑った後で、必ずそれを誰かと共有したがる。
その相手は、決まって大好きな人。目を合わせてくれるまで顔を覗き込もうとするし、その人が傍にいれば、時には突発的にふざけ始めることもある。
そんなジェノに構ってやるのはいつだって、ジェミンやジェヒョンや、それからメンバー達だ。
例えば、悲しい時。
悔しい時も然り。涙を堪えるように下唇を噛んで、気を紛らわせるよう誰かに身を寄せる。それから自分の気持ちまでもを誤魔化すように明るく笑ってみせるのだ。
いつだったか。一時の感情だけに任せて怒ってしまうと、言葉も涙も制御できなくなってしまうから。と、ジェノは笑っていた。
自分は、一歩。中心から抜け出した外側から眺めている分が丁度いいのだと。
笑っていれば、何でも許してあげられるから、と。
当時はまだ幼かったジェノの口からそんな言葉を聞かされるとは思わず、驚きに目を見開いたのをよく覚えている。
幼い頃から、芸能界という美しくとも残酷な環境に身を置いていたからかもしれない。
まるで生き方を知っているような口振りに、驚きながらも、少しだけ寂しく思ったのだ。
もう何年も昔の話ではあるが、ジェノが何気なく口にした、学校での話。
“ジェノって何考えてるか分からない”
本当に短な期間だけ。アイドル活動との両立が難しくなって、あえなく断念した高校生活。
もう会ってもいない、これから会うこともないであろう同級生に。そう、言われたらしい。
別に、傷付いたというわけではないようだった。
実際、あの時のジェノは、当たり障りのない言葉を返した気がするし、もしかしたなら適当に笑ってやり過ごしただけだったかもしれない、とあまり定かではない記憶を思い起こして、いつものようにふわりと笑っていた。
だから、何も言わなかった。
というより、何も思わなかったから、言わなかったのだ。
けれど、それを思い出す度に、ジェヒョンは思う。
彼はジェノのことの何一つとて分かっていないのだ、と。
・・・
JH「………ジェノヤ、暴れないで」
JN「んっ…は、ぁ、」
例えば、快感にどうしようもなく、思考が乱れている時。
ジェノは分かりやすくジェヒョンへ甘えた態度を見せるし、まるで気付いて欲しいとでも言いたげな様子で、快感に悶える己を隠そうとする。
JH「耳、感じる?」
JN「っ…ヒョン、やだ、」
JH「どうして?いつも喜ぶじゃん」
JN「ぁ…っ、くすぐった、ぁ、」
耳の中へと息を吹き込むように囁くと、ジェノはぞわりと背筋が震えさせる。
ジェノがジェヒョンの歌声はじめ、声を好いてる、ということは言われずとも知ったことである。
少しだけハスキーな甘い低音がどうにも頭に残って離れない。ジェヒョンの声を、蝸牛が敏感に拾いとってしまうジェノの耳を、ジェヒョン自身よく理解していた。
そして、それを知るジェヒョンが隙あらば耳を攻撃しようとしてくることについて、嫌がる素振りを見せながらも、得られるその快感を好いているということさえ。
擽ったいような、むず痒いような、そんな快感に肩を竦めるジェノにジェヒョンが小さく笑い声を漏らした。
JH「気持ちいね、ジェノ」
JN「ちが…っ、ん…、」
JH「ふふ、ほんとに?………ほら、反応してる」
二人の目前に晒されたジェノの陰茎は、既に期待に勃ち上がりつつある。
羞恥にか、それとも快感欲しさにか。無意識に擦り合わさる膝同士は、ジェヒョンがいとも簡単に割開いてしまった。
ジェヒョンのせんとすることは、所謂、スローセックスというもの。
何を思って、それを試してみようと思ったのかはジェヒョン自身よく分かっていない。
ただ、ジェノがあまりにも快感に弱いせいで、ジェヒョンはその先を知りたくなってしまったのだ。
これ以上の快楽を与えてしまったのなら、ジェノはどうなってしまうのだろう。
敢えて分かりやすく言うのなら、ジェノのあまりの艶かしさにジェヒョンの加虐心が刺激された。ただそれだけの、単純すぎる理由である。
恋人である自分に、ジェノが逆らえるはずもないだろう。
そう踏んで、ジェノをベッドに組み敷いたのはつい先程のことだった。
仕事からジェヒョンの部屋へと帰り着いた矢先のことだったので、あまりに性急な行動をとるジェヒョンを見て、驚きに目を白黒させていたジェノだったが、ジェノとて漸く二人で過ごせる時間を手にしたのだ。
互いに、手の届く場所に相手がいて、耐えられるはずもない。
そうと分かっていて、ジェヒョンからの熱烈な視線を拒もうとは思わなかった。
JH「………ずっとしてみたかった」
JN「何を?」
JH「ん〜…?」
JN「ん……ヒョン、教えてくれないの?」
JH「集中して…」
JN「んっ…ひょ、ん…」
ベッドの上に座り、壁へ寄りかかって、人糸纏わぬジェノを背後から抱き締めて。
ジェヒョンの逞しい胸板に背を預け、ジェノは耳からの緩い快感を長いこと享受し続けていた。
体感時間で言えば、もう一時間はゆうに超えてるが、残念ながらベッドヘッドに立てかけられた掛け時計は、まだほんの五分しか時を刻んではいない。
後ろから抱かれているせいで、抱き返すことの叶わない両手はジェヒョンの手と繋がっている。
さわさわと指を撫で、爪を擦り合わせたり、指を絡めたり。
ジェノよりも少しだけ大きなジェヒョンの手が、優しくそれを包む。
ジェノの他人より敏感な耳を何度も食み、時々リップ音と共にキスを落とした。
その度に、ぴくぴくと身体を揺らして熱い吐息を零すのだから、聞かされている側はたまったものではない。
声を抑えようと身動ぐ腕を取り押さえているのはジェヒョン自身だが。
JN「ぁ…っぅ、ん…ひょん、」
JH「ん?」
JN「なん…っで…、」
JH「何が」
意地悪、と口を尖らせるジェノの顔を覗き込み、それからジェヒョンは声色低く笑った。
ジェヒョンの伸びの良いテノールが、ジェノの鼓膜を快感に揺らす。
首筋を粟立たせ、全身を真っ赤に染めているジェノがどうにも可愛らしい。
足の間に挟んだ、ジェノの鍛えられた腰を、すりと擦り合わせた。
互いに衣服を纏っていないせいで、伝わる体温は普段の数倍。
ジェノの快感や期待に震える腰も、見らずしてよく分かった。
JH「こっち向いて」
JN「……っん、ぅ、」
JH「嬉しそう……キスしたかったの?」
JN「………………もっと、」
JH「まだだめ…」
目を蕩けさせたジェノに触れるだけのキスを。
もっと深いものを、と強請るジェノにもう一度だけ、優しいバードキスをする。
不満に口をへの字に曲げるジェノに笑って、ジェヒョンはその唇を指でなぞった。
空いたジェノの右手はジェヒョンの太腿へ。
ジェヒョンの興奮を煽ろうと這わされるジェノの手に、ジェヒョンはどこか余裕げな表情でジェノの顔を見下ろした。
JN「今日、いつもと違う」
JH「嫌?」
JN「………いつものがいい」
JH「ふふ、ジェノも直ぐにこっちが好きになるよ」
ジェノには何も伝えていない。
性急すぎるジェヒョンの振る舞いに、いつも通りの刺激が来ると思えば、襲い来るのは快感に善がるには緩すぎる刺激。
もどかしいそれに首を振るジェノを気の毒に思いながらも、ジェヒョンは辞める気など微塵もなかった。
寝転がって、とジェヒョンに言われるがまま、ジェノはベッドへと仰向けに寝転がる。
それに倣うようにジェヒョンも横たわり、腕枕をするようにジェノの頭の下へと左腕を差し出した。
JN「…………寝るの?」
JH「全裸で寝てたら明日起こしに来たドヨニヒョンが悲鳴上げるよ」
JN「じゃあ……なに?」
不思議そうに目を瞬かせるジェノが、上目遣いにジェヒョンを見遣る。
奥二重で切れ長な瞳なのに、どこか丸っこい。
大きな黒い瞳はハイライトをこれでもかといっぱいに詰め込んで、うるうると水分たっぷりに輝いている。
この可愛らしい瞳が、メイクひとつであんなにもファンを虜にする色気ある瞳に仕上がるのだから不思議だ。
一度気になってしまえば、それを知るまでずっと気にし続けるジェノを軽く宥めながら、その瞼へ唇を乗せた。
震える睫毛と、恐る恐る開かれる瞼から目を離すことなく、今度は眉間へ。
額。こめかみ。そして鼻頭、頬。最後に唇。
とろり、とジェノの陰茎から溢れ出た先走りが、糸を引いてジェヒョンの太腿へと垂れ落ちた。
触れるだけのキスを寄越しただけ。
相変わらずの敏感さだ、とジェヒョンは心の中で笑みを零す。
顔中の至るところに口付けを終えた頃には、ジェノの白い頬は真っ赤に染まりきっていた。
JH「ジェノ…」
JN「……ん、」
JH「好き」
JN「…っん…ぁ…やだ、耳」
JH「愛してる」
JN「あっ…も、だめって…、」
沢山の愛の言葉を……。
そう、ネットの記事に書いてあったことを思い出す。
互いの性格のせいで、あまり言葉で伝え合うことはないので新鮮だ、とジェヒョンは思った。
案の定、ジェノは耳を真っ赤にさせながら、耳元で囁かれるジェヒョンの声に肩をぴくりと震わせる。
敏感な耳元で、大好きなジェヒョンの声が愛を囁く。
これがどれ程にジェノの興奮を刺激してしまうのかを、ジェヒョンは到底知り得ない。
それでも、隠しきれていないジェノの表情や仕草が、それを好いていると顕著に示した。
JH「可愛い…」
JN「ゃっ…!」
刺激に弱い両耳を隠そうと、右耳は頭の下に敷いたジェヒョンの腕と挟み込み、もう片方は己の手で塞ぐ。
可愛らしく睨み付けるジェノを見て、意地の悪い笑みを浮かべたジェヒョンが、声を出すまいと噛み締められたジェノの唇へと噛み付いた。
右手で腰を引き寄せれば、ごり、とジェヒョンの太腿に触れる熱くなったジェノの熱。
びくりと身体を揺らし、逃げようと引いていく腰を、ジェヒョンは逃さない。
そのまま食らいつくように唇で、ジェノの薄い唇を覆い込んだ。
手持ち無沙汰なジェノの片手がジェヒョンの胸に縋り、息もできない程の口付けを甘受する。
応えるように口を開けばすかさず滑り込ませた肉厚な舌に、ジェノの腰がジェヒョンの手の中で震えた。
充血した真っ赤な舌がジェノの口内から覗いて、それを追うように己の舌と絡ませれば、ぐちゅりと鳴る水音。
JN「んぁ…っ!や、ぁ…、」
JH「………ふふ、」
JN「あ…!ひょん、やだ…あ、やだ、ぁ…」
慌てたように耳を塞いでいた手を外したジェノが、ジェヒョンから離れようと藻掻く。
その理由を分かっているジェヒョンは、腰を抱いていた右手で、己の腕に押し付けるようにジェノの耳を塞いだ。
暴れる腰を抑えるのはジェヒョンの長い右足。
触れ合わせた足のせいで、ジェヒョンの勃ち上がった陰茎も共にジェノの下腹部へと擦り付けられた。
瞠目したジェノが足をバタバタと動かすけれど、それも大した意味をなさない。
耳を塞ぎ込まれ、口内から鳴る水音が出口を失い、頭の中で木霊し続ける。
耳への刺激に弱いジェノにとっては、正しく地獄だった。
JN「んんっ…、ん、は…ぁ、や、音…!」
JH「ん…、顔とろとろ」
そう笑って、ジェヒョンの右手が撫でるジェノの顔は、これでもかと真っ赤に染まりきっていた。
八の字に歪められた眉、赤くなった目尻が快感に垂れ下がっている。
酸欠に潤む瞳、荒く息を吐く口元からは零れ落ちた二人の唾液がてらてらと艶めいていて、ジェヒョンの興奮を昂らせるには十分過ぎる程だった。
ついに切れ落ちた二人を繋ぐ唾液の糸が、ジェヒョンの腕を伝ってシーツへ垂れ落ちる。
JN「っ…ひょん…、ヒョン…、」
JH「ふふ、続きしたくなった?」
JN「…ぅ……ジェヒョニヒョン、」
JH「名前呼ぶだけじゃ分かんない」
揶揄するようなジェヒョンの笑みに、ジェノが恥ずかしげに視線を逸らした。
満足気に口角を上げたジェヒョンは、ジェノの言わんとすることを分かっていて、こう言うのだ。
そんなジェヒョンの意地悪に気が付いているジェノは、意地でもそれを口に出そうとはしない。
JH「………ジェノ、」
JN「いや」
JH「分かったから、」
まあ、仕方がない。
今日自分がやりたい事は、ジェノを羞恥に泣かせることではないのだから。
そう気を取り直したジェヒョンは、快感に耐えようと蹲っているジェノの身体を仰向けに転がした。
快感に兆したジェノの陰茎が隠れることなく顕になり、先走りに濡れたそれは部屋の明かりを反射して妖艶に存在を主張している。
ジェヒョンの熱の篭った視線に、ジェノがぎゅう、と目を瞑る。
こぷり、と。またしても期待に先走りが零れた。
JH「……可愛い」
JN「んっ…、ぁ、」
スローセックスというのは、“射精のための愛撫”ではなく、“愛情交換のための愛撫”。
細かい部分を端折って、大雑把に言うのならそういうものである。
詰まり、射精や絶頂を目的としない、ということなのだろう。
ジェノ曰く絶倫である自分が耐えられるのかは別として、快楽に弱く、直ぐに絶頂へと達してしまうジェノには打って付けだ、とジェヒョンは思った。
快楽に弱いからこそ、ジェノは嫌がるのだろうけれど。
JN「ゃ…ヒョン、なんで、」
JH「何が?」
JN「んん…っ、ひょん、」
ジェヒョンの掌が、ジェノの身体にぎりぎり触れない距離。
緩慢な手付きで撫であげる(といっても見かけだけではあるが)ジェヒョンに、ジェノはもどかしげに身を捩った。
首筋から肩、腕をなぞり指先まで降りてくると、そこから今度は腹の上を通って、また胸元まで上っていく。
揺れる腰の動きをどうにか押さえつけながら、ジェノはぎゅう、と拳を握り締めた。
それでも、ジェヒョンの手から視線を逸らすことはできない。
いつ快楽が襲ってくるのか分からない。
そんな期待と不安に瞳を潤ませるジェノに、ジェヒョンは目を細めた。
これは、思った以上に上手くいきそうだ、と。
JH「ふふ…気持ちいいでしょ」
JN「ちがう…っ、ぁ、ん…」
JH「ほんとに?……息荒いよ、」
JN「……ヒョンだって、」
JH「そりゃこんなの見せられたらね?」
JN「あ…っ、」
上半身を彷徨っていたジェヒョンの手が、不意にジェノの反り勃つ下半身へと伸ばされる。
咄嗟にぐっと内に寄せてしまった両足に、ほくそ笑むジェヒョンに、ジェノは悔しそうに唇を噛み締めた。
上手いこと転がされてることが気に食わないんだろうな。ポーカーフェイスは得意なくせに、ジェノはジェノが思う以上に、感情に素直である。
そんなジェノの、性格の本質を見破っているのは、一体メンバーの中に何人いるのだろう。
俺だけかも、と考えたところで、ジェヒョンは脳内で首を振った。
片割れなのではないか、と疑われる程に波長の合うあの子と、ジェノこそが僕の愛だ、と豪語する一つ上の彼。それから妙に鼻が利く同い年の二人と、もしかしたら、空気の読める年下達も。
あの、行き過ぎた程にジェノを可愛がる最年長は、微妙だけれども。
少なくとも、彼らは自分と同じように、ジェノは分かりやすい、とはっきり言うのだろう。
JH「ぁ…、ごめん」
JN「あっ…!や、ん…!」
JH「あれ、」
どれ程そうしていたか。
あまり重要でもないことを考えあぐねている間に、ジェヒョンの手がジェノの肩に触れてしまったらしい。
触れようとしていなかった手が触れてしまったことに驚いて、思わず手を引いてしまったジェヒョンだったが、今度は思ってもみないジェノの反応に瞠目した。
びくん、と揺れた身体。途端に粟立つ肌が、次の瞬間には真っ赤に染まっていく。
シーツを握り締めるジェノの両手は白くなっていて、小刻みに震えていた。
JN「ん…は、ぁー、」
JH「ジェノヤ、気持ちよかったの?」
JN「ちが…、ぁ、ひょん、」
これは思った以上だ、とジェヒョンはにやけそうになる口元を慌てて片手で覆った。
まるで甘イキしてしまったようなジェノの反応に、重たくなる下半身。
これ以上長く、自分も耐えていられないかもしれない。
爛々と目を光らせたジェヒョンが、どさりとジェノの身体に覆い被さった。
JH「ジェノ…、」
JN「ん…!あ…ん、」
顔を背けたジェノの耳元で名前を呼ぶ。
それだけで甘ったるい嬌声を漏らすのだから、ジェヒョンの唇からは興奮に震えた熱い吐息が零れた。
もう一度。朱の差した耳元で名前を呼んで。
ジェノの鼻から嬌声交じりの熱の篭った息が抜けたのを見計らって、ジェヒョンはその真っ赤な耳へと舌を這わせた。
JN「ぁぁ…!ん、あ…それ、いや…っぁ、」
JH「嘘吐きだね、ジェノ」
JN「やだ…っ、やぁっ…喋っちゃ、あっ…、」
とことん、ジェノは耳から得る快感に弱いらしい。
ジェヒョンよりも華奢な腰はベッドから浮き上がり、かくかくと揺れている。
行き場を失いシーツを握り締めていた両手はジェヒョンの背中へと回っていた。
耳朶を食み、縁をなぞっていたジェヒョンの舌は、次第に奥へと侵入し、遂にはじゅぽじゅぽと音を立てて抜き差しを始めるので、ジェノは泣くように嬌声を上げた。
ぞわぞわとした快感が背筋を走り、鼓膜を直接刺激する水音は脳内を駆け回り出て行ってはくれない。
快感から逃げようとシーツを掻き荒らせば、ジェヒョンの両足で取り押さえられ、その際に触れた互いの陰茎に、ジェノは切なく喘いだ。
JN「あ…!?ん…っああ、も…やだぁ、ひょんっ…、」
JH「何が嫌なの?」
JN「みみ…っ、みみ、いや…っ!ああ…っん、!」
JH「ふーん?」
与えられ続ける強い刺激に、ジェノの拳が容赦なくジェヒョンの背中を叩くけれど、さして力の籠っていない手では痛くも痒くもなかった。
とは言え、ここまで善がっているジェノをそのまま攻め続けるなら、いつダウンしてしまっても可笑しくはない。
男で、一般的に見れば他人より体格も良くて、歌い踊ることを仕事としていたとして。
この行為をするにあたっては、そんな体力も大して当てにはならないのだ。
首を回そうと動き回る頭を片手で押さえつけながら、少しの間考える。
それから、ジェヒョンはゆっくりと右手を胸元へと下ろしていく。
乳輪をくるりとなぞった指先は、鍛えられた腹筋を丁寧に撫でて。
辿り着いたのは、筋肉の中にひっそりと鎮座する縦長の小さな臍。
己の突出のある臍とは違い、ジェノの臍は綺麗な形をしている。
そんなジェノの臍を好いて、ジェヒョンは身体を重ねる度に嬉々としてそこに手を伸ばすのだ。
言わずもがな、ジェノの臍を性感帯へと変えたのはジェヒョンである。
伸ばされたジェヒョンの腕の行き先に気が付いたジェノが、焦ったように目を見開いた。
JN「だめ…っ、だめ…あ、ひょ、ん…、!」
JH「さっきからだめしか言わないね、ジェノヤ」
JN「ひょん…っ、あっ…ん、あ、」
JH「嘘吐きは悪い子だっていつも教えるでしょ」
言った、ジェヒョンの指先が臍へと触れた。
JN「やっ…あ、ああっ…ん、あ!」
JH「ふふ…可愛い」
JN「ゃん…っ、ぁ…、あ、ひょん、っ、」
JH「こっちも触ろうか」
言いながら、ジェヒョンはジェノの返事も待たずして、耳元で囁いていた唇を肌に触れさせながら下ろしていく。
ジェヒョンが動きを止めた先は、ツンと立ち上がった乳頭。
ジェヒョンの日頃の愛撫のおかげか、少しだけ膨らんだ乳輪が、ジェヒョンの情欲を更に掻き立てた。
触っていいか、とは聞かない。
ジェヒョンの行動の行く末を知っていて、止めもしないということはそういうことなのだろう。
迷う素振りひとつ見せず、ジェヒョンは目前の震える乳頭へと齧りついた。
JN「やっ…!ぁ、あ、んん…っぁ、!」
JH「胸と臍どっちが好きなの、ジェノ」
JN「んっ…あっ……っ、どっち、も…ん、っ」
JH「ふふ、素直になってる」
臍の縁を擦りながら乳頭を歯で挟む。
そうすればジェノは、強請るように胸を反らして可愛らしく喘ぐのだ。
汗に濡れた黒髪がシーツに散らばり、いやいやと首を振るジェノの頭は伸ばされたジェヒョンの左手の中へと収まった。
JN「んっ、ぁ…ひょん、ぅ、っ、…ん、!」
JH「ジェノヤ、もうイきそうでしょ」
快感に悶え、暴れ回るジェノの上で、ジェヒョンは悪戯に微笑む。
臍を擽るジェヒョンの手元で震えるのは、ジェノの熱くなった陰茎。
とぷとぷと止まらない先走りがジェヒョンの手や己の腹筋に垂れ落ち、やがてそれはジェノの臍へと溜まっていく。
ジェヒョンの指が臍を掻き混ぜる度に、粘度のある先走りはぐちゃり、と音を立てた。
JN「やっ…っや、ぁぁ…っ、あ、ん」
JH「ジェノ…音聞こえる?」
JN「やっあ…あ、いやだ…っひょん、!」
JH「…………ジェノのナカ触ってるみたい」
ぶわりと、ジェノの顔に熱が集まった。
羞恥に瞳が潤み、動き回っていた両足の動きがぴたりと止む。
足先がぎゅっと丸まり、手先がジェヒョンの背に爪を立てた。
悪戯がすぎたか、とジェヒョンが眉を寄せる。
刹那、
JN「あっ…!ひょ、…っああん…っ、くる…あっ、あ、いく…っ、ひ…っ、!」
JH「……ジェノ、どうした、」
JN「ぁ゙〜〜〜〜っ、!?!」
がくん、と跳ね上がったジェノの身体が、どさりとベッドへ沈み込んだ。
激しく上下するジェノの胸。荒く吐き出される息と震える腰。
それから、ジェヒョンの手をべっとりと濡らす白濁。
JH「………ジェノヤ、イったの?」
JN「………やだ、ぁ、」
視線が絡まり、ジェヒョンが問い掛ける。
ジェノの瞳からぽろりと零れ落ちた涙が、こめかみを伝ってベッドへと染みを作った。
ジェノの今の状態を見るなら聞かずとも分かる。
それでもジェヒョンがそう口にして問うたのは、ジェノを羞恥に晒そうとしたわけではなく、驚きに言葉を失ったからだ。
果たして、ジェノはこんなにも敏感だっただろうか。
いや、元から快楽には弱かったけれど、まさか、上半身への刺激だけで達するまでとは。
JH「ジェノ、可愛い」
JN「ぁ…っん、ぁ、」
JH「ナカ、慣らそうね」
一度、驚きに瞠目したジェヒョンだが、それも落ち着いてしまえばそれからは早い。
未だ放心状態のジェノの額にキスを落としたジェヒョンは、ベッド下から取り出したローションを手早く取り出した。
掌に多量のそれを塗り広げ、体温を分け与える。
そうしながら、割開いたジェノの両足に入り込み、優しく口付けを落とした。
青臭い匂いの漂う内腿から爪先まで、それから内腿へ再び戻ってくるなら、今度は腿の付け根に。
余韻にぴくぴくと震える足が、ジェヒョンの口付けや舌の暖かさに逐一反応を示す。
精を吐き出し萎えていた陰茎が、快感に再び持ち上がり、精液混じりの先走りを零した。
JN「ぁ…っ、ん、ぁ、」
JH「……ジェノ、」
JN「んっ…、ん、ひょん…まだ…?」
JH「ふふ、可愛い、」
もう一度、初めのように寝そべって唇を重ねた。
興奮に熱くなった互いの舌が絡み合い、吐息までもを交換していく。
ジェノの手がジェヒョンの頬へ。
ジェヒョンのローションを纏った指先がジェノの秘部へと触れた。
JN「んっ…あ、ひょん…、」
JH「ん…?」
JN「ひょん、すき、あ…あ、ん、すき、」
JH「ん…、ヒョンも好き」
ジェヒョンの甘さに感化されたジェノが、蜜のように蕩けた瞳で、甘く呟く。
ジェノの唇から吐き出される熱い吐息が、ジェヒョンの唇を蒸らしていく。
唾液に艶めくジェノの唇に噛みつき、唾液を取り上げるように吸い取った。
秘部を緩く撫でていた指先は、会陰を辿り、ひくつく後孔に。
つぷり、と侵入を許した後孔へと中指が呑み込まれ、熱い腸壁が包み込む。
びくん、と揺れた身体と、上擦ったジェノの喘ぎ声。
身を竦ませたジェノがしがみつくようにジェヒョンの胸元へ縋った。
JN「あっ…んあ…ああ、やっ、!」
JH「今日凄いけど、どうしたのジェノ」
JN「やあっ…ん、わかんな、ああ、ん、」
まだジェヒョンの指は入り口を通過したばかり。
だと言うのに、ジェヒョンの指が自分のナカにいる。そう思うだけで制御出来ずに溢れ出る先走りに、ジェノは恐怖した。
これ以上の快感は、自分の制御でき得る範疇ではない、と。
ナカを激しく荒らされているわけでもない。前立腺に触れられているわけでもない。
ジェヒョンのたったの中指一本で、こんなにも後孔が締まり、腰を突き出してしまう。
そう焦るジェノを横で眺めながら、ジェヒョンは楽しそうに笑う。
JH「気持ちよさそう」
JN「ああ…っん、も、むりぃ…ひょ、ん、あ、!じぇひょ、に…ひょ………ああ、ーー!!」
JH「まだ一本しか入ってないのにもう無理なの?」
JN「やっ…やだあっ、そこ……んっあ、あ、」
とん、と触れた前立腺に、ジェノが声もなく喉を反らした。
指の動きは一切激しくないのに、ジェノは少しの刺激で過敏すぎる程に身体を跳ねさせる。
濡れそぼった陰茎がジェヒョンのソレと擦れあって、またしても声を上げる。
後孔はぎゅうぎゅうとジェヒョンの指を喰い、ひくつく度に仕込まれたローションが音を立てて溢れ出た。
JH「キスしよう」
JN「っ…は、ん…っう、んぅ…ぁ、………ん!んん゙っ…〜〜〜、!!」
歯を数えるように舌を這わせ、上顎をなぞったあとで、絡め取った舌を甘噛みし、緩く吸い上げる。
それに乗じて人差し指を挿入し、前立腺へと触れるのならば、途端に締め上げる熱い腸壁。痙攣する腰。くぐもった嬌声と同時に、二度目の絶頂へと達した。
JN「はっ…あ、ん…あ、ぁぁ、は、」
JH「蕩けてる、可愛い」
JN「んっ…!だめ、うごかし、ちゃ、あ、」
痙攣の治まらない腸壁は、絶頂したことでどろどろに蕩けきっていて、少し動かすだけできゅん、と粘膜がジェヒョンの指へ絡み付く。
ジェノの瞳はとろりと垂れ下がり、ジェヒョンの胸元へと宛てがわれた両手はしっとりと汗ばんでいた。
もう一度、とキスを強請って顔を寄せてくるジェノに笑ったジェヒョンが一つキスをして、ジェノの足の間に滑り込ませた右膝を立てる。
されるがままに開脚を強いられたジェノは、足を動かし抵抗しようとしたところで、ぐっと堪えた。
あまりにも、ジェヒョンが余裕のない表情をしていたのだ。
JH「あと一回イって、」
JN「ん……っあ!んあ、ぁ、あ、っああ、」
JH「可愛い、」
JN「やっ…や…!やあ、っああ、!やっ、!」
一度指を引き抜いたジェヒョンが、再び突き立てたのは三本にまで増えた指たち。
ぐちゅん、と音を立てて穿たれた粘膜に、ジェノの陰茎から薄まった精液が申し分程度に溢れた。
あくまでスローセックス。
動きこそ激しくはないものの、内壁を擦るように撫でられ、指の根元まで突き立てられているせいで、前立腺は疎か奥までもを刺激する。
もう既に二度の絶頂を極めているジェノには酷なことではあるが、臨戦体制を取っている状態で散々にジェノの善がる姿を見せられては、ジェヒョンも耐えられるはずがなかった。
一刻も早く、その腸内へと身を収めたくて堪らないのだ。
JN「っああ、!いくっ…あ、いぐ…ぅ、っああ…、んあっ!」
JH「いいよ、」
JN「あっ!やあ…っ、いぐ…ぁ、あ、あ゙〜〜〜〜っ、!!!」
腸内で広げた指で、前立腺を挟み込む。
ぐっ、と抉るように下から押し上げれば、大袈裟な程に反れた腰。
かっと熱を持ち痺れるように震える粘膜が指を貪るように畝る。
勃ち上がったままのジェノの陰茎から薄い白濁だけが少々零れているのを見ると、どうやら今の絶頂はナカだけだったらしい。
JN「っあ…、は、あ…ひょん、」
JH「メスイキしてる」
JN「んっ…らめ…あ、ひょ…っ、いま、へん…っ、あ、だめ、」
JH「うん…ヒョンももうだめだから、」
身体を起こしたジェヒョンが、呼吸を整えようと胸に手を当てるジェノへ、容赦なく乗り上げた。
慌てたジェノがジェヒョンの肩を押しやるが、それも直ぐにシーツへと貼り付けられてしまう。
ジェノが視線を下ろした先には、はち切れんばかりに膨張したジェヒョンの陰茎。
血管の浮き出たソレに、不安の孕む瞳でジェヒョンを見上げれば、優しく髪を梳かれる。
これはもう、頷くしかないらしい。
もう半ば投げやりになったジェノがジェヒョンから目を逸らすと、ジェヒョンは自分の唇を舐めあげた。
JN「っ゙〜〜〜〜〜、!!ぁ゙…っや、ああ!!」
体内を貫いた重たい刺激に、ジェノが目を見開く。
視界が白んだ数秒後に、全身を駆け抜ける痛い程の快感。
押し出されるように嬌声が溢れた。
JH「……っ、挿れただけでイったの?」
JN「あっ…あ、わか、な…っあ、」
JH「ふふ、可愛いねジェノ」
未知の絶頂感に、ジェノがひくりと喉を鳴らす。
意思とは関係なくジェヒョンの陰茎をぎゅうぎゅうに締め上げる腸壁が、何よりもの証拠だった。
ジェノの指先に自分の指を絡めたジェヒョンが、優しく耳元で囁く。
ぞわ、と背筋を走る快感に声を漏らせば、ジェヒョンが笑った。
JH「ジェノは可愛いって言われると嬉しいでしょ」
JN「っぁ…なん、で、」
なんで、知ってるの。
そう問おうとするも、快感にひきつれた喉では声も出せない。
そんなジェノに、ジェヒョンが意を汲んだように答えた。
知ってるよ。ジェノは分かりやすいから。
JN「あっ…!ああ、!やっ、ら、だめ…ぇ、っああ!」
JH「ジェノはここが好きでしょ」
JN「やあ…ーーっ!あ、あ…っぁぁ…!んぁ…!」
ごりごりと先端が前立腺を引っ掻く。
ジェノの制止もまるで聞かず、ジェヒョンは奥へと己の陰茎を突き立てた。
ぼろぼろとジェノの瞳から零れる涙を一つ一つ舐め上げながら、ジェヒョンは決して速くはない速度で腰を打ち付ける。
普段のなりふり構わずな抽挿とは全く違う。
腰を動かす度に、ジェノ、好き、可愛い。
ジェヒョンが囁く度に、ジェノの後孔は切なく締まり、ジェヒョンの怒張を離すまいと絡み付いた。
JN「ああ…っん、あ!ひょ、あ、ひょん、ぅ…、!」
JH「気持ちいね、ジェノ」
JN「んっ…あ、あ、も、いく、あっ…ああ、ん、」
JH「ん、一緒にイこうか、」
言ったジェヒョンが、徐にジェノとシーツの間へ腕を滑り込ませ、ジェノと向かい合うように抱き上げる。
為す術なくジェヒョンの膝上へと乗っかったジェノが焦ったように声を上げるが、ジェヒョンは一切聞く耳を持たない。
上に逃げようと身動ぐジェノの腰を抱き寄せ、ジェヒョンはジェノの耳元へ唇を寄せた。
JH「可愛いよジェノ」
JN「んっ…!ぁ〜〜〜〜っ、!や、あ、あ、!」
JH「っ、イったの?」
JN「い…って、な、っあ、は、ぁ、」
JH「うん、じゃあもう少し頑張って」
JN「やっ、やら…っああ、!」
また嘘吐いて。
そう思ったが、ジェヒョンは言わなかった。
ジェノが、ジェヒョンと一緒に絶頂を迎えたいと思っていることはこれでもかと伝わっている。
嫌だと首を振りながらも背中を思い切り抱き締めているジェノを見れば、それを理解するのはジェヒョンにとって容易すぎることだった。
JN「んっ…あ、あ!また、いくっああ…っ!あ!」
JH「ん、ジェノ、」
JN「あっ…あ、や、」
JH「好き」
JN「っ…!ーーーーー…!!」
最後に愛を伝えながら。
スローセックスは、愛を確認し合いながら行うセックスだと、そう聞いた。
耳朶を緩く食んで、それから甘く囁く。
びくん、と仰け反り後ろへ倒れていくジェノの身体を抱き寄せて、ジェヒョンは痙攣するナカへと飛沫を浴びせた。
焦点の合わないジェノの瞳を覗き込んで、ジェヒョンはふわりと笑う。
可愛い、ともう一度唇を動かして。
その後、意識を飛ばすように眠ったジェノの身体をタオルで清め、腸内から精液を掻き出したところで力尽き、眠ってしまったジェヒョン。
翌朝、全裸で仲良く身を寄せ合って眠る二人を前に、ドヨンが悲鳴を上げたのは言うまでもないだろう……
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ジェノって分かりにくそうで凄く分かりやすい性格をしているんだろうな、と思います。
あまりに干渉癖がなさすぎるせいで、空気を読まずして何かを言ってしまうこともしばしば。けれど空気を読むのはどちらかと言えば得意な方。
自分が一度気を許した人には何も臆せず発言してしまうような感じ。
あくまでも私の解釈なので実際のところどうかは分かりませんが(笑)
でも、もしそれがそうなのだとしたら、ジェノはきっとメンバーにもシズニにも気を許してくれている、ということなのでは?
そう思って、それが面倒見のいいジェヒョンが彼氏だとこうなるんだろうな、と私的解釈と理想が妄想へと発展したお話でした。本編とは殆ど関係なくて、何これって読み返した時に首を傾げてしまいました。まあいっか精神で投稿してます(笑)
普段と少しだけ書き方が違ってしまったのはお許しください。前話の吸血鬼パロを読み返した後に書き始めたせいで三人称視点になっていたみたい。
私にしては珍しく初っ端から致していて、自分でも驚きでした(笑)
と言うより、スローセックスってその名の通り尺があるだけに文字数が足りず……最後は無理矢理に終わらせました(ごめんなさい)
ねちっこいジェヒョン、全身全霊で愛を囁くジェヒョン。素敵すぎる。
恥ずかしいあまり嘘吐きになっちゃう受けって凄くいいと思います。それを諌める彼氏がいるのなら尚最高です。
最高すぎるリクエストを頂いていたお陰でとっても楽しみながらお話を書かせて頂くことができました。お応えするのに大変遅くなってしまいましたが、リクエストありがとうございました!
次はユタドンの嫉妬話です〜!(ドンが攻め)(ワクワク)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。