第14話

Jaehyun × Taeyong
14,668
2023/02/15 14:18
Happy Valentine !!!
Happy Jaehyun's Day !!!
(本当に申し訳ございません。昨日投稿したはずのつもりが下書き保存のままでした(号泣))








ふと、車窓越しの街並みに紛れる洋菓子屋へと目が留まった。

特段大きくもなく、目立った外装でもない。ごく普通の洋菓子屋。

今時の雰囲気とはまた違う、昔からあるような親しみのある外見に、どうしてか目を奪われたのだ。

今日はバレンタインだからだろうか、そう考えては愛してやまない恋人の姿が脳裏を過った。

今日はジェヒョンの誕生日だ。




・・・

TY「ジェヒョナ〜!ヒョンが帰ったよ〜!」

JH「おかえりなさい」

TY「ジェヒョニの誕生日だからケーキ買ってきた」

JH「………ヒョンが食べたかったんじゃなくて?」



部屋に入れば、ふわりと香るジェヒョンの香り。

鼻先を掠めるムスクは彼の愛用する香水の香りだ。

ベッドの上へ寝転がっていたジェヒョンが頭だけを起こして僕を見遣った。

脱色された綺麗な金色がシーツへと広がっていて、メッセージのやり取りでもしていたのだろう、画面の灯された携帯がベッドに転がっている。

左手に持っていた紙箱を自分の顔横へと掲げれば、意地悪く笑うジェヒョンが僕を見上げた。

少し言葉に詰まったとは言え、ジェヒョンのために買ってきたというのは本当だ。

僕の言わんとする事を分かっていて、ジェヒョンはいつだって僕を揶揄おうとする。



TY「ふん、じゃあいいよ。一人で食べるもん」

JH「身体絞らないと〜、って後から俺に泣きつく事になるのはヒョンだよ」

TY「………誕生日だからってそんな事ばっかり言ってちゃ怒るよ」

JH「そう言って怒ったことないじゃないですか〜ヒョンニム」



端正な顔を緩めて、含み笑いを零す。

タイトなスケジュールのせいでモチモチとした頬は少しだけやつれているけれど、笑うと笑窪ができるのはやっぱり変わらず愛おしい。

食べようよ、と右手を差し伸べると、僕よりも幾分か大きな手が重ねられた。



JH「どんなケーキ?」

TY「ショートケーキだよ、好きでしょ?」

JH「バレンタインってチョコレートを渡すんでしょ?」

TY「チョコレートケーキが良かったの?メインはジェヒョナの誕生日じゃん」

JH「じゃあバレンタインのチョコレートはくれないの?」



可愛らしく唇を尖らせたジェヒョンが僕を見た。

この調子ならば何を言ったところで、減らず口を叩くのだろう。

こんな時は無視することに徹した方がいい。

もう何年もジェヒョンと過ごしてきた僕の、ひとつの教訓だ。

僕がジェヒョンの部屋で何かを食べたくなった時に、と勝手に買い置いている折り畳み式のローテーブルを部屋の隅から引っ張り出す。

僕とは大分、嗜好の違うジェヒョンはシンプルな物が好きなので、アンティーク調の木製テーブル。

足の部分が少しだけ畝った造りをしていて、足先がカールしているのが決め手だった。ジェヒョンに似合う洒落た佇まいで、迷うことなく即決したのだ。

何においてもこだわりの強いジェヒョンは、そんな僕に少しだけ不服そうな顔をしていたけれど。

いいじゃんか、ジェヒョンのことを考えて選んだんだから。高かったのに…。

ジェヒョンが僕の右隣へと座るのを尻目に、机上に取り出した二つのショートケーキを互いの目の前へと並べる。

ジェヒョンの方には『Happy Birthday Jaehyun』と記されたチョコレートプレートが乗っていた。

これで十分なバレンタインになったでしょ。

そんな意味も込めて顔を覗き込むと、またしても可愛らしい笑窪を浮かべたジェヒョンがチョコレートプレートを指先で摘む。



JH「ばら売りのケーキでも乗せれるんだ」

TY「店員さん、ジェヒョナのこと知ってたみたいだったよ?喜んでしてくれた」

JH「へぇ、嬉しいね、」



座右の銘が『感謝せよ』なだけある。

優しく微笑んだジェヒョンが手に持ったチョコレートを写真に収めた。

嬉しそうに目を細めて、皿の端に丁寧に寄せ置く。



JH「バブルに載せようかな」

TY「ちゃんとヒョンが買ってきたってことも伝えてね」

JH「覚えてたら」

TY「忘れたら許さないよ」



クールな見た目に寄らず、ジェヒョンは心が暖かい人間だ。

そんな人柄を知っていく内に、第一印象の“実の弟にしたい”から“愛し愛されたい”と思うようになるのは早かった気がする。

そして、そんな僕の思いが本人にバレてしまうのも。



TY「食べてよ、ジェヒョナ」

JH「はいはい、いただきます」



急かす僕に小さく笑ったジェヒョンが一口、切り分けたケーキを口に含む。

一口サイズにしては随分と大きかったそれのせいで、スポンジの纏う生クリームが少量、口端へと取り残された。

それに気が付くこともなく、頬を緩ませたジェヒョンが僕の顔を見る。

美味しい、と言いたげな表情だ。

ジェヒョンは感情が顔に出やすい故、聞かずとも分かるケーキの感想に思わず笑みを零した。



TY「美味しい?」

JH「うん、ヒョンも食べなよ」



はい、と差し出されたフォークの上には、先程より幾分か小さく切り取られたケーキの欠片。

僕には食べやすいように、と気を使ってくれたみたいだ。

大きく口を開けて、それを迎え入れる。

僕が口を開いて閉じるまでの動作を釣られてやってしまうところが可愛らしい。

一度噛んでしまえば、口の中に柔らかいスポンジの食感と生クリームの優しい甘さが広がった。



TY「ふふ、美味しい」

JH「そうでしょ?」

TY「ジェヒョナ、もっと」

JH「ん、」



ジェヒョンの誕生日なのだから本当は僕が甘やかしてあげるはずなのに、ケーキの甘さと相まって少しだけ甘えたくなってしまった。

擦り寄るようにして甘えてみれば、僕の腰を優しく抱いてまた一口、口の中へとケーキを運ぶ。

恋人として彼の隣に居るようになってから、テヨンイヒョンが甘い物を食べている時の顔が好き、と頻繁に口にするようになったジェヒョンは、そう言うだけあってか、普段の数倍表情が優しい。

美味しい?と至近距離で見詰められて、思わず身動ぎながらも小さく頷いた。

何だか、今日のジェヒョンはいつもよりも少しだけ甘ったるい。



TY「ん…なんか、近いね、ジェヒョナ」

JH「だって今日は誕生日だから」

TY「……ジェヒョナ、ここ、付いてる」



ジェヒョンが一口目を頬張った時から気になっていた唇に取り残されたクリーム。

それを人差し指で拭ってティッシュを探そうと辺りを見回した時。指先に触れた生暖かい感触に肩を跳ねさせた。



TY「……あ、何してるの、」

JH「ん、こっちの方が甘い」

TY「待って……待って、ジェヒョナ」

JH「ヒョン、」

TY「何、?」

JH「今日は特別な日だから、特別な事したい」



ぐい、と更に身を寄せられ、逃げる暇もなく重ねられた唇。

一度離れた唇が今度は下唇を軽く食んで、口の間から覗いた真っ赤な舌が僕の唇をねっとりと舐め上げた。

まるで、僕から生クリームの味わいを奪っていくような舌付きだ。

割開かれた唇から僕よりも厚みのある舌が侵入して、逃げる僕の舌先を絡め取った。

生クリームの甘さが口内に広がって、舌先が甘さに痺れていくような感覚さえ覚える。



TY「ん…は、ぁ…ぅ、あ、じぇひょな、」

JH「甘い…」

TY「ぅ…ぁ、んぅ…くるし、ぁ、」



ケーキの味を忘れさせてしまう程の甘ったるい口付けに噎せ返りそうになった。

ローテーブルを足で蹴りやったジェヒョンが、僕の身体をラグの上へ押し倒す。

普段、ガサツな男だと謳われるジェヒョンもこんな時になるとどこまでも優しい。

頭を支えていた手がゆっくりと引き抜かれ、僕の両耳を塞いだ。

籠った水音が逃げ場なく脳内をぐるぐると駆け回って、思考を溶かしていく。

ぞくり、と背筋を走る快感に軽く腰を浮かせば、可笑しそうに笑みを漏らしたジェヒョンが僕の顔を覗き込んだ。



JH「ヒョン、気持ちいい?」

TY「じぇ、ひょなぁ、」

JH「ふふ、何ですか」

TY「ケーキは…?」

JH「ヒョンの身体と一緒に食べようと思って」



怒らないでね、と不敵に笑うジェヒョンと目が合うと同時、着ていたスウェットを強引に捲り上げられる。

その言葉を理解する前に、あろう事か、ジェヒョンは食べかけのショートケーキを僕の腹の上へとぶちまけた。

冷たさにひくり、と身体が震えて、崩れたケーキが重力に従って腹を伝っていく感覚に身を捩る。



TY「な、なにしてるの、」

JH「こうして食べた方が美味しそう」

TY「ひぅ…っ、なに、じぇひょな…ぁ、やだ、」



妖艶に舌なめずりするジェヒョンに見蕩れそうになるのを、すんでのところで踏み止まった。

肩を押しやろうとする僕の両手を一纏めに頭上へと張り付けたジェヒョンが大きな掌で腹から胸へと、ショートケーキだったそれを塗り広げていく。

部屋に充満する匂いが甘ったるい。

ぐちゃり、と音を立てて僕の上半身にこびり付いたケーキの残骸を見ては楽しそうに笑うジェヒョンに少しだけ寒気がした。



JH「テヨンイヒョンは甘い物が似合うでしょ?」

TY「……食べ物で遊んじゃ、」

JH「今日だけ、許して……ね?ヒョン、お願い」



甘えたように首を傾げるジェヒョンに、もう何も言えなかった。

ジェヒョンは甘え上手だ。

一人っ子のくせにどうしてそんなに弟属性なのかは分からないけれど、こうして僕を始めとした年上組が甘やかして育ててきたというのも一つの要因であることは確かなのだろう。

年上にも年下にも気遣いのできる、出来た弟ではあるけれど、練習生時代から共に過ごしてきた僕からするならばジェヒョンはどうしても末っ子枠として扱ってしまうのも仕方のないことだった。

それを良く理解しているジェヒョンは、これみよがしにと僕に甘えては好き放題に何でもやってのける。



JH「美味しそ……、」

TY「やっ…あ、ん…は、ぁ、」

JH「また鍛えなきゃじゃない?腹筋見えなくなってる」

TY「はぅ…っあ、ぁ…ぅっ…やぁ…」



臍を抉るように舌を突っ込んでは、腹の筋をなぞるように舌を這わせていく。

ぞわぞわとした感覚に腰が蠢いて、もどかしさに足を擦り寄せた。

一纏めにされて動かすことのできない腕では抵抗もできず、ましてや僕よりも体格のいいジェヒョンに力で適うはずもない。

舌でクリームを舐め取りながら、時折歯を立てられる。

その刺激に逐一反応する身体と既に勃ち上がってしまっている陰茎に羞恥心を煽られた。

嫌だと抵抗しながらも、どうやらこの状況に興奮してしまっている自分がいたらしい。

ぴくぴくと反応する腰を緩く撫でたジェヒョンが僕を見上げる。

好奇の瞳がしっかりと僕を見つめていて、堪らず顔を逸らした。



JH「ヒョン、美味しい」

TY「ぅ…あっ、も、じぇひょな、」

JH「何?」

TY「も…いいでしょ、っ…はずかしい、」

JH「だめ、全部食べないと気が済まない」



次は上ね、と今度は胸元へと顔を寄せられる。

ジェヒョンの吐息が胸を掠めて、声を漏らせば嬉しそうに笑うジェヒョンが肌に唇を這わせた。

乳輪をねっとりと舐めては、キスを落として。

ジェヒョンは意地悪だ。

僕がして欲しいことを全部分かっていて、焦らしたがる。

僕が自分で懇願するまで絶対に触れてはくれない。



TY「あんん…っぁ、じぇ…ひょな、ぁぁ、っ…あ、ん、」

JH「なーに、ヒョン」

TY「いじわるっ…ぁ、ぁ…」

JH「いつも言ってるみたいに言えばいいのに」

TY「ぁ…も、はやく、ぅ…あっ、ぁ…たりな、」



言いながら、僕に跨るジェヒョンの太腿へと昂った陰茎を押し付けた。

わざとらしく胸を突き出す僕に、ジェヒョンが小さく息を漏らす。

その吐息は先程よりも熱い。



JH「変態、」

TY「っあ…!っや、ぁぁ…あ、んっ…ぁう、っ…」

JH「転がされるのが好きでしょ、」

TY「あんん…っぅ、あ、んく…っあぁ、!」



途端に襲ってきた刺激に首を仰け反らせた。

じゅう、と吸い上げられ、その後で舌で器用に転がされる。

押し寄せる快感とそれ以上を求める欲望が混ざり合って、揺れる腰の動きも大胆になっていく。

ジェヒョンの下半部に擦り付けるように腰を動かして、射精感を煽った。



JH「それだけじゃイけないくせに」

TY「んぅぅ…ぁ、あ、はやっ…く、ぅ、」

JH「食べ物を粗末にしてはいけないって習ったでしょ、ヒョンも」



どの口が言ってるんだ。

余すことなく僕の身体に舌を這わせるジェヒョンの愛撫はまだ終わりそうにない。

頑固なジェヒョンはこうなると、やり切ってしまうまで満足しないのだから面倒臭いのだ。



TY「じぇひょなぁ…っあ、ぅ、ん…あっ、」

JH「あ、待って、」



快感に身悶えながら縋る僕を見て満足気に笑っていたジェヒョンが、不意に何かを思い付いたように動きを止めた。

何かを拾い上げたジェヒョンの手元を見れば、ショートケーキの上に乗っかっていたであろう大ぶりの苺。

塗り広げられた時に腹を伝って落ちていったのはどうやらその苺だったらしい。

それがどうしたんだ、と見詰めていると、ジェヒョンは少しだけ迷う素振りを見せた後で一口でそれを口の中へと放り込んでしまった。

頬を膨らませて何度か咀嚼を繰り返し、それから僕の唇へとキスを落とす。



TY「んっ…ふ、ぅ…っ、ぅ!」

JH「ふふ、お裾分け」

TY「…なに、」

JH「美味しい?」

TY「ん、ぅ、おいしい…」

JH「それ食べながらもう少しだけ待っててくださいね、ヒョン」



言って、またしても胸元へと顔を填めてしまったジェヒョンの頭を、解放されて自由になった腕で抱き竦めた。

びくん、と震える肩を宥められながら、大人しくその快楽を享受する。

口の中の苺は咀嚼したものの飲み込みきれず、開きっぱなしの口から溢れて垂れ落ちていく。



JH「……苺、飲み込めなかったんですか?」

TY「ん…ごめん、っ、ぁ…」

JH「また後で食べよう」



漸く顔を上げたジェヒョンが、白いラグマットに染み込んだ赤い唾液混じりの液体を見る。

快感に晒されたせいで思考もドロドロになってしまった頭では何も考えられない。

咄嗟に謝りはしたけれど、ジェヒョンにとってあまり大したことではなかったらしい。

と言うより、ジェヒョンもそろそろ限界なのだろう。

額に滲む汗と荒い息遣いが何よりの証拠だ。



TY「じぇひょな…、」

JH「ん、今からする」



誘い出すように首裏に回した腕で顔を引き寄せると、優しく鼻頭へと口付けられる。

そのまま互いの唇を貪り合いながら、中途半端に身に纏っていた衣服を脱いでいく。

大きな掌が内腿を卑しく撫でて、陰茎へと触れた。

先走りに濡れたソレを緩く扱く。

その度に音を立てて、とぷとぷと絶え間無く溢れる先走りが互いの興奮を煽った。



JH「ヒョン、一緒にして」

TY「っん…!ぁ、じぇひょな…あぁ、ん…」

JH「もっと、手に力入れないと、」



徐に僕の左手を掴んだジェヒョンが互いの反り勃った陰茎を一纏めに握らせた。

その上から自身の手を重ね、ゆっくりとそれでいて強く上下させる。

ぐちゅり、と動かす度に響く音と、擦れ合う快感。それから、ジェヒョンの陰茎と触れ合っていることから得られる興奮が同時に襲いかかって来て、まだ一度も絶頂に達していない僕の身体はもう限界だった。



TY「あっ、あ、あ…じぇひょな、ぁぁ…いく、も…いく、っ!」

JH「ん、」

TY「あぁあ…!やっ…ああ、いくっ…あ、いく、ぅ〜〜っ、〜〜〜、!!」



ぐり、とジェヒョンが尿道を親指で抉ると同時に激しく腰が震えた。

吐き出された白濁が飛び散って胸元までを濡らす。



JH「ん、イったの?」

TY「ぅ…あ、じぇひょな、」

JH「ローションは、……ヒョンの部屋だ、」

TY「ん、?そうだっけ…」



言いながら、数日前にジェヒョンと身体を重ねたことを思い出す。

確かにあの時情事に耽ったのは僕の部屋だった。

自分で僕の部屋に持ってきておいて忘れて帰ったのだ。

だからどっちの部屋にも置いてた方がいいって言ってるのに………。



JH「じゃあこれで代用しよう」

TY「ばか、ジェヒョナ…無理だよ、」

JH「大丈夫でしょ、ヒョンのナカそんなにキツくないし」

TY「そういう問題じゃなくて……ぅ、ひっ、」



悩むように視線を彷徨わせたジェヒョンが手に取ったのはテーブルの上にぽつりと残されていた、まだ手の付けられていないケーキ。

トップに絞られたホイップクリームを掬い上げたジェヒョンがにっこりと笑う。

大胆不敵というか、何と言うか。

こんな風に突拍子のないことを言うのも昔からだが、限度というものがある。

そう思ったところで、やる気に満ちているジェヒョンには何を言っても無駄なのだろうけれど。

臀に触れたいつもとは違う感覚に、ひくりと身体を縮こまらせた。



TY「ほんとに、?」

JH「大丈夫、力抜いて、」

TY「んっ…ぁ、ゔ…あ、ん、ぅあ…」



まずは一本。鎮められた指に、力を抜こうと息を吐く。

僕の呼吸に合わせて押し入ってくる指を堪らず締め付ければ、緩く頭を撫でられた。

ローションとは違う質感に違和感を覚えながらも、後孔がひくつく度にフワフワとホイップが潰れていく感覚は気持ちいい。

身体の奥底に溜まる熱が疼いて、今にもせり上がってきそうだ。



JH「ん…緩いから直ぐ入りそう、」

TY「じぇひょな、ぁ…ん、んっ…あ、もっと、」

JH「……じゃあ一気に入れてもいいの?」

TY「ひゃっ…っ、!!っああ、ぅ…あっ、やぁ、!」



ぐっ、と突然の圧迫感とそこから得られる快楽に身を震わせる。

情けない声が上がって、咄嗟にジェヒョンの身体へと抱き着いた。

確かにこれ以上焦らされても耐えられるような余裕なんてものはないけれど、急な刺激に耐えられる余裕だって持ち合わせてはいない。

それなのに態とらしく指を動かしては後孔を開いてみたり、ナカを掻き回してみたり、とジェヒョンは僕の反応を見て楽しんでいるみたいだった。



TY「やだぁ…!あ、ああっ…や、んっあ…」

JH「前立腺は?」

TY「やっ…だめ、じぇひょな…っ、あ、ああああっ……〜〜〜〜〜〜、!?!」

JH「中イキしてる……可愛い、」



前立腺を二本の指で摘み上げられた途端。がくん、と大きく痙攣した腰と精液の出ていない勃ち上がったままの性器。

肩にしがみつく両手に力が入って、ジェヒョンの白い肌に指が食い込むのが分かった。

完全に蕩けてしまった頭では何が起きているのかを理解することさえできない。

ぎゅう、と締め付けた粘膜がジェヒョンの指の形を感じ取ってはまた甘イキを繰り返す。

ナカから抜き出された指にはどろどろのクリームと腸液が絡み付いていて、それもまた卑猥だった。



TY「ぁ…っ、ん、は…あ、」

JH「ヒョン、挿れていい?」

TY「あ、ぅ…や、じぇひょな…だめ、きたな、ぁ…っ、」

JH「うん、甘い」

TY「やだ…ぁ、っ、」

JH「どうして泣くの、ヒョン」



色んなもので濡れた指を舐め取るジェヒョンの姿にぼろぼろと涙が溢れる。

それは羞恥や興奮や、それからこの先訪れるであろう快感への期待。

優しく笑うジェヒョンが僕の頭を撫でて、それから熱くはち切れそうな程に膨張した陰茎を宛てがった。

ひくつく秘部が小さく水音を立てて、その大きな質量を今か今かと待ち構える。

大きすぎる興奮に止まらない涙と荒くなる吐息。



JH「ヒョン、着けてない、」

TY「ん、いいよ…おいで、じぇひょな、」



強請るような瞳と声色で僕を見下ろすジェヒョンの頭を抱き寄せる。

甘えたように僕の肩口へと頭を擦り付けたジェヒョンが首筋へと唇を這わせた。

こんなに男らしい声色で顔付きで、体格にも恵まれているというのに、そんな彼に甘えたがり、というオプションまで取り付けたのは一体誰なのだろう。

これじゃあ一生離れられないじゃないか。

ジェヒョンに愛されるのは生涯僕だけであって欲しいし、そんなジェヒョンを愛するのは死ぬまで一生、僕一人だけでいい。



TY「じぇひょな…ぁ、じぇひょな、」

JH「なぁに、ヒョン」

TY「だいすき…、じぇひょな、ぁ」

JH「ヒョン、わざとなの?」



僕の股の間に滑り込んだジェヒョンが左足を抱え上げた。

苦笑を浮かべたジェヒョンが互いの唇を触れ合わせた後で、僕の頭を掻き抱く。

先走りに濡れた陰茎が数度、会陰をなぞって、先端がくぷり、と秘部に呑み込まれた。



TY「ふ…ぁっ、あああ…!」

JH「っ…、ヒョンはどこが好きなんだっけ、」

TY「ひぅっ!!…っあ、ああ…っ、じぇひょ、っなあああっ…!」

JH「ここが、いいの、?」



指とは比べ物にならない程の圧迫感に、身体が拒否しようと独りでに力が入ってしまう。

そんな狭い肉壁の中、容赦なく腰を突き進められ、前立腺を抉るようにして先端を押し付けられた。

奥に入れば入る程、弓形に反っていく腰。耳元で囁くジェヒョンの吐息が熱い。

ぐちゃぐちゃ、と。結合部分からは普段よりも粘着質のある音が鳴り響いて、それがクリームであるということを思い出してはまた身体を興奮が駆け巡る。

亀頭もカリ首も、裏筋に浮きでた血管まで。ジェヒョンの形を記憶する内壁がぴったりと纏わりついた。



JH「っん…ヒョン、動くからね」

TY「ふ…あっ、あぁ、んぁ…っ…や、あ、!」



押し寄せる快感に耐えるように首を振れば、宥めるようにジェヒョンに頬を擽られた。

唾液に濡れた唇からは、止まらない嬌声が溢れ落ちる。



TY「やっ…やぁ、!じぇひょ、なぁ、っ…ああ!ぅ、や…あ、んっ…あ、〜〜〜っ…!」

JH「ヒョン、好きって言って、」

TY「っあ゙…っ゙、あ、あ…すき、ぁ、ああ…すき、ぃ…ーーっ、じぇひょ…っ、すき、ああ、!」



激しい揺さぶりに、自分でも知らぬ内に絶頂へと達してしまう。

僕が果てる度に連動する粘膜はぎゅうぎゅうとジェヒョンの陰茎を締め付けて、苦しそうに呻いたジェヒョンが僕の肩口へと噛み付いた。

ふー、と吐き出される息が野生動物みたいに獰猛で、強く僕の臀を打ち付け続ける腰も荒々しい。

好き、の言葉の程だけ膨らみを増していく陰茎に僕の身体は、体内から押し広げられていく。

敏感なところに余すことなく触れられ、数度目の射精感が込み上げた。



TY「やらっ…あ、も……っあ、いく、っひああ…っ、じぇひょ……っあ、いきそ、」

JH「ん、奥…行ってから」

TY「ああああっ…!らめっ…っひ、ぅ…ああ、!やっ…あ、あ、やあああ、!!」

JH「力抜いて、」



徐に起き上がったジェヒョンが、抱えていた左足に加え右足までもを担ぎ始める。

否が応でも、次にされるであろう行為に必死に首を振るも、ジェヒョンが聞き入れてくれるはずがない。

こんこん、と結腸への入口を小さく叩いて。僕が大きく息を吐き出したのを合図に、思い切り突き上げた。



TY「あっ…あ、あ、ぁぁ…らめ、ぇ、っ…あ、ああああっ…………!?!ーーーーっ、!!?!」

JH「っふ…、」



声にならない嬌声が部屋中に轟き、引きつけを起こした身体がびくびくと止まることなく震え出す。

僕の内壁に搾り取られるようにしてナカで果てたジェヒョンが、ぐたり、と力の抜けたように倒れ込んだ。

体制が変わったことで、結合部の隙間から溢れていく精液、腸液、生クリーム。

絶頂を迎え、漸く落ち着いた状況に、どんどん冷め始めていく頭。

ジェヒョンに覆い被さられているせいで見えはしないものの、あまりに卑猥であろうその光景を思い浮かべては後ろめたい気持ちになった。

もし次に会うことがあったなら、どんな顔して会えばいいの。

真心込められて作られたショートケーキをこんな事に使うなんて……。



JH「ヒョン、美味しかった」

TY「……身体、ベタベタするんだけど、」

JH「ヒョンも興奮してたでしょ」

TY「………ばか、」



僕の目元に掛かる前髪を優しくはらって、額へとキスを落とされる。

そうして抱き起こされた身体に身を委ねれば耳元で幸せそうに笑うのだから、もうどうでもよくなってしまった。



TY「ジェヒョナ、誕生日おめでとう」

JH「ふふ、今年も沢山頑張ります」

TY「程々に、頑張って」



何はともあれ、お誕生日おめでとう。
僕の愛するジェヒョン。







_________________________

皆様、ハッピーバレンタイン!!!

それからジェヒョンさん、お誕生日おめでとうございます。

バレンタインのテヨン受けが見たい、という方とジェヒョン攻めのテヨン受け(ジェヨンって言うらしい、、、知らなかった(笑))が見たい、という方がいらっしゃいましたので纏めさせて頂きました。

大好きなこのケミ!!!

お互いに本当の兄弟のように思い合っているからこその、彼らにしか分からない雰囲気とか距離感が凄く好きなんです。

ジェヒョンが可愛くて堪らないテヨンと、心からテヨンのことを慕っているジェヒョン、、、素敵なケミすぎる、、、

甘やかしたいテヨンと甘え上手なジェヒョンなので、情事中もイチャイチャしまくってるんだろうなぁ(そうであってほしい)(かつ本人たちは無自覚であってほしい)

リクエストを受けた際に、テヨンは甘いお菓子やお話が似合うとおっしゃられていたのですが、完全解釈一致で、書いていて凄く楽しかったです。

実を言うと、前話のドヨンジェノにあまり納得がいっていなかったので、勝手ながらこのお話を書いて満足してしまいました。

前話は嫉妬系のはずがジェノが泣き縋る、という可愛いだけのお話になってしまったので、、、

人物のキャラにもよりますが、激しめのお話を書いても途中で甘ったるく書いてしまう癖があるんです(克服したい)

狂愛、嫉妬系自体は大好きなのですが(泣)

リクエストして下さった方々、理想通りのお話ではなかったら申し訳ないです(泣)



バレンタイン企画、今週はずっと続きそうです。

バレンタインデーというよりバレンタインウィーク感覚で生きている私です。皆様是非付き合って頂けると、、、(笑)


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