手早くお母様とお話を纏め、終わらせます。
お父様の言葉に「はい。」と6人で返事をし、解散となります。お父様とお母様。わたくし達第1夫人の子、第2夫人とその娘。第3夫人とその娘という身分順で食事の間を出ます。わたくしとフォニイお姉様、ヴィルお兄様は自分のお部屋のある東の離れに向かいつつ、盗難防止の神術具、フィリドを使いお話をしていました。
困ったこと。と呟くフォニイお姉様と思ったことを口にしたヴィルお兄様の言葉に頷きつつ、わたくしだってロウネカンディダートですのにそれを分かっておられず、わたくしを下と見ている様でございますから。と続けます。
愚か者の話は放っておいて別のお話をしましょうというわたくしの提案にそれもそうね、と頷いたお2人と束の間の交流の時間を終えました。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!