第13話

#13
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2022/06/13 22:35
# サシャ
リーリツェリア様、お茶のご用意が出来ました。
ツェリマとマリンに着付けをしてもらい、一息ついたところを狙ったようにサシャがお茶を持ってきました。完璧な時間配分です。
# ツェリマ
サシャ、ちょうど良いタイミングですね。成長いたしました。
優しく微笑んだツェリマをみて嬉しそうにするサシャ。まだわたくしと同い年の8歳ですが、すこし表情が豊かというか、感情が出ているようにも思いますが…貴族として育てられていないサシャの反応は年相応ですね。
# マリン
リーリツェリア様、神宮長様がいらっしゃいました。
マリンの声に振り向き、少し待っていただくように言い、お茶の用意をするようにツェリマに指示を出します。神宮長、ジョシュア様。…それは神宮の中では神官長であり、領主の娘のわたくしよりも上の立場の方です。
# ジョシュア
リーリツェリア様。お戻りと聞いて参りましたよ。お久しぶりでございます。
# リーリツェリア
お久しぶりです、ジョシュア様。
# ジョシュア
返納式のお話は聞きましたか?
# リーリツェリア
いえ、まだです。
そうですか。といったジョシュア様はわたくしの担当場所を教えてくれました。
# ジョシュア
では私はこれで失礼しますね。返納式、よろしくお願いします。あぁ、ツェリマ。お茶美味しかったですよ。
ジョシュア様の言葉にツェリマが柔らかく微笑みます。
ジョシュア様はツェリマ達のような神宮で生まれた子供達__神宮神官や神宮巫女__を大切にしていらっしゃいますから、皆に慕われているのです。神宮神官や神宮巫女の反対、貴族として生きられなくて神宮に入れられた者のことを貴族神官、貴族巫女といいます。そういった者たちは神宮神官たちに厳しくあたったり横暴に振る舞うことが多いのです。ですからジョシュア様のような貴族神官は珍しいとも言えます。
ツェリマはジョシュア様が退出した扉をしばらく見つめていましたがふと我に返ったように仕事を始め、わたくしはその様子をそっと眺めておりました。

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