放課後はいつも二人で帰る。
あなたを家に送るまでの間探偵の話をする。
それが当たり前になっていて、今日も同じだった。
本命
その単語に心臓がドキッと鳴る。
俺とあなたは幼稚園からの幼なじみだ。
だけどそれだけじゃない。
俺にとってあなたは、初恋の相手でもある。
今も好きだけど素直になれず、たまに勇気を出してアピールしても全く気づかれない。
つまり鈍感。
あなたには好きな奴がいるのだろうか?
もし、俺に振り向いてくれたら、、。
ビックリした、、俺そんなに見てたのか、、。
あなたは不思議そうにしながらも俺に注意してくる。
心配してのことだと思うと顔がにやけそうになる。
、、重症だな、、(汗)
一度知ってしまったら辞められない、探偵という職業。
昔からの憧れだ。
それに、呆れながらもいつも俺の話を聞いてくれるあなたとの時間が好きだから。
本人には言えないけどな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!