第12話

偽悪
125
2023/08/10 12:00

 しばらくすると、響くんが帰ってきた。
大して時間は経っておらず、小学生が遊びに飽きるには短すぎる時間。

「早かったね」

「直ぐにみつるくんの友達が来まして。お役御免になりましたよ」

「そうだったのか。ありがとう、あの子の相手をしてくれて」

「後輩の面倒を見るのは先輩の役目ですから。それより、話は進みました?」

 なんというべきか。迷った末に先生に助けを求めるために視線を向けると、直ぐにそれらしい応えを出してくれた。

「いや、雑談ばかりだったよ。大事な話は東城くんがいる時にしたかったってのもあったし」

「そうですか」

「だからまぁ本題に戻るけれど…いいかい?」

「勿論です」

 先生は情報を余すところなく伝えてくれた。わかったことは3つ。
 先生は数字に関することは何も知らないということ。陽は先生に私たちがこの学校に顔を出すだろうと言っていたこと。そして私たちが訪れたら『天音姉妹』の所へ向かうように言って欲しいと頼んできたこと。

「つまり、姉ちゃんは次は天音さんの所へ言って欲しいと…?」

「そうだね、そもそも東城くんは天音さん達のことを知っているのかい?」

「はい、知ってます。姉ちゃん共々良くして頂いていたので。」

 天音姉妹は私と小中同じ学校で、つまり陽とも小学生の時は同じ学校だった。小学校の頃はこの4人でいることが常で、その中でも双子の姉妹の天音姉妹と、私と陽がいつもの組み合わせだった。陽だけ中学受験したけれど、中学に上がっても4人で遊んだりする中だった。
 仲のいい友達だ。話に挙がってくる可能性は考えていたがここで挙がってくるとは。

「姉の双葉と妹の若葉。どっちがどっちかわかる?」

「いえ、そこまでは…そっくりなので…」

「まぁ、騒がしい方が妹の若葉って見分けでいいんじゃないかな?」

「言い得て妙だね。まぁ、わかりやすいほど差がある訳では無いけれど。僕も苦労したよ。本当にそっくりだけど、教え子を見間違う訳には行かないからね…」

「…なるほど、では今度は天音さんのお宅へ伺うという事でいいですか?」

「そういうことだね。久しぶりに会うなぁ」

「2人とも相変わらず多忙のようだから日を改めて予定を組み直した方がいいと思うよ。きっといきなり行っても居ないだろうね」

「そうですね、また改めて行こうと思います。」

「今日はありがとうございます。この件が何事もなく終わったら、また来ますね」

「うん、また来てくれたら嬉しいよ」

 先生は響くんの言葉に少し驚いたようにそう返す。

 先生に礼をしたあと、その日はそのまま学校を出た。

「相変わらずだったね、林先生。」

「そうですね」

 響くんと思い出に浸っていると、急にお腹がすいていることに気がつく。
 時計を確認すると、ちょうどお昼時だ。

「…お腹すいてきちゃった」

「いい時間ですからね。何か食べます?」

「そうだね…って、え?2人で?」

「はい…どうせお互い家帰っても1人でしょう?情報整理がてらどうです…?あ、いや勿論無理にとは言いませんが…」

「あ、いや、そうだね…別に用事あるわけじゃないし、どっかで食べよっか」

 2人で入った近くのカフェは、ちょうど陽と3人で来たことのある店で、案内された席もどこか見覚えがある気がした。

 …早く

 …早く、陽から響くんを引き離さなければ。

 どんな手を使ったって。

 他の誰を傷つけたって。







「初めて来たお店だけど、いい感じの雰囲気だね」

 わたしが、ヒールになったって。

サボってたらシルバーになっちゃいました

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ちょっと多忙なんでお盆投稿できるか怪しいですが、あともう1チャプターは投稿したいなって思ってます

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人生初宣伝だ…

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