第20話

例えば、足跡が未来を阻むように
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2023/11/04 00:00

 葬式で理音を見た時、過去に囚われる人なのだと思った。僕ら家族はそれが当たり前として、でもふつう他人は違ったのだ。
 大切だとかそうじゃないとか、そういうのはひとまず置いて、とにかく死んだ人は過去になる。だから、故人はある種『思い出』のような立ち位置で大切にされて、今を生きる我が子とか、或いは守るべきペットとかの大切なものとは違い無責任な過去の廃棄がなされる。

 だから理音は、姉ちゃんを『思い出』にして、新しい友達を『友達』にでもすればいいのに。

 理音は余程過去を大切にするのか姉ちゃんを大切にしたいのか。東城陽という人間に執着する。

 姉ちゃんの仏壇にひたすら話しかける理音の様子は、それは痛々しく哀れなものだった。

 僕は姉ちゃんが死んだことに囚われているけれど、でも理音は姉ちゃんに囚われているんだ。

 どっちがいいのかはわからないけど。

 もし姉ちゃんを死に追いやった奴が目の前に現れたとき、理音がどんな反応をするのか、僕にはわからなかった。



どっちも短いので2本投稿。

1ヶ月後にテストが控えてるので投稿頻度が落ちるかもしれないです。
え?今も充分遅いだろって?…それは推しの配信を見まくってるだけですね

本文は響をメインに書いてますがタイトルは一章以降は理音をイメージして毎回考えてます。

『偽』シリーズが終わり『例えば、』シリーズが始まります。どうでもいいですね

いつも♡と☆ありがとうございます。実は20話目です。

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