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人間は、突然人が変わることがある。
「嫌っ、やめてっ、!」まだ話すこともできないジウォンと一緒に、泣き叫ぶ。『うるせぇな、黙ってろっ』悍ましい怒鳴り声と、テヒョンが投げつけたグラスの割れる音。全てがただただ恐ろしい。____
『ねぇ、テヒョンって呼んでよ。』「え?」ユンギに会った日、突然のタメ口とともにそう言われた。『俺も〇〇って呼ぶ。あと…タメにしたい。』いい?、急に上目遣いで可愛くなるから、心臓がうるさい。テヒョンは、今まで通りジウォンのことをすごくかわいがってくれる。ただ一つ違うことは、テヒョンも私も、“愛し合っている”ということ。逃走から数日。テヒョンがスーツに着替えだした。「テヒョン?どこ行くの?」気になって尋ねる。『仕事だよ』「え、仕事?」『うん。〇〇もジウォンも、養えるようにならなくちゃ。』そう言って照れたように笑うテヒョンが、すごくすごく愛おしい。「ありがとう、テヒョン。大好き」『えへ、俺も』磁石のように引き寄せられて抱きしめ合う。あ、そうだ。「私にも何かできることがあったら言ってね?仕事でもなんでもするっ!」私達のために頑張ってくれるテヒョンに、少しでも貢献したい、そう思って言ったことだったけど、
『いい。〇〇は何もしないで、ずーっとここにいて?』そう笑うテヒョンに、何故か背筋がゾッとした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。