しんぺい神side
「じゃあ、俺ね。」
早まる心を落ち着かせるため、深呼吸を1回する。
「…俺、は…ほんと、今までやってたことが馬鹿みたいって、今までで1番後悔、した…」
なんでこんなことしか言えやんねん…
「軍医という役割に着いていながら、…心の傷を癒すための立場にいながら……」
「とっていたのは、冷酷非道な行動…」
俺、上手く話をまとめろ。呆れられてしまう。
でももう…きっと何十回も何百回も呆れられてる。
「だから、まずは軍医として…ゾムに危害を加えて、ごめんなさい…」
きっと違う。ゾムが言ってほしい言葉はこんな言葉じゃないはず。
「ゾム…」
でも、これを俺が言っても良いのだろうか。こんな、酷い事をしてきた人間が、その本人に……
「ゾム…俺、」
まあ……言わずに損は嫌やもんな。
「俺ね、ゾムのこと大好きや。仲間として、1人の人間として。やから…」
許されんでもええ…
「ほんま、ごめんゾム。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。