思い出すわァ……
〜
「な、な!ゾムさんが無能やったらおもろない?!w」
「え?どういうことや大先生。」
「俺は無能やん?けど、この国ん中でも2、3番目に有能なんはゾムさんやん!立場逆転とかおもろそうやろ!w」
「いやいやいやwゾムは有能やし、絶対無能にならへんて!w」
『やってみよかなぁ』
「まじですか?!w」
『おもろそうやし!w…んーでもなぁ…』
「どしたの?」
『無能無能って、みんなから悪口言われんの俺…耐えられへんもん……』
「可愛いやっちゃなぁお前!」
「ほんま!大好きやな俺らんこと!w」
「嬉しいなぁ〜」
「大丈夫大丈夫!俺ら仲間やで?」
「いじめるなんてことありえませんよ!」
『そーぉ?…』
「そうですよ!」
「嗚呼。何があってもやぞ!」
〜
これは…みんなで晩飯食っとった時のやつやな…
あの日から俺はみんなの前で無能を演じてみたりした。
〜
「ゾムまた間違えだらけやん…」
『俺無能やし!』
「そろそろやめときやー?w」
〜
〜
「っておいゾム!そっちは敵おるって!」
『おぉっとぅっ…』
「はァ…そろそろ飽きへんのか…?」
〜
そしたら、みんなの差別心というか、ストレスが溜まってたんやろな。
いつの間にか俺は無能になっとった。
〜
「無能。邪魔。」
「ほんまに先輩ですか?w」
「ウザイわァwww」
〜
暴力もいっぱいされた。
でも、それでみんながストレス発散できるなら、ええかなって思った。
…ねむ、なってきた、な……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。