ひとらんらんside
「次は俺ね。」
俺は腰にかけてある刀を一撫でする。
「…俺は、この刀を、仲間を守る為に使う、って決めてたのに、、、仲間を傷つけるために使ってしまった。」
その後悔は遅かったよ。
「何故今まで気づけなかったんだろ、って!動物達も、ゾムが良い人だって教えてたのに無視して!!」
それから!
「勝手な理由を自分の中で作って、ゾムの設定を脳内で変更してしまった!!」
あの時、
「食堂でご飯を食べた時、…ゾムは美味しいって口いっぱいに頬張りながら無能になり始めた!」
ほんとなら!、ほんとなら…
「ほんとの、仲間、なら…あそこで気づけた、の、かな……?」
出したくもない涙がどばどばと溢れ出る。
何故俺が泣く。泣きたいのはゾムだ。
「ゾムのこと、勘違いしながら、いじめて…」
決してこの行動は許されないけど…
「ごめんね…ゾム……」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!