ひとらんらんside
「次は俺ね。」
俺は腰にかけてある刀を一撫でする。
「…俺は、この刀を、仲間を守る為に使う、って決めてたのに、、、仲間を傷つけるために使ってしまった。」
その後悔は遅かったよ。
「何故今まで気づけなかったんだろ、って!動物達も、ゾムが良い人だって教えてたのに無視して!!」
それから!
「勝手な理由を自分の中で作って、ゾムの設定を脳内で変更してしまった!!」
あの時、
「食堂でご飯を食べた時、…ゾムは美味しいって口いっぱいに頬張りながら無能になり始めた!」
ほんとなら!、ほんとなら…
「ほんとの、仲間、なら…あそこで気づけた、の、かな……?」
出したくもない涙がどばどばと溢れ出る。
何故俺が泣く。泣きたいのはゾムだ。
「ゾムのこと、勘違いしながら、いじめて…」
決してこの行動は許されないけど…
「ごめんね…ゾム……」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。