NOside
一応兄さんにも聞こえるよう、インカムをつけながら全員で、夜中なのに大きな声で探した。
「おいっ、!そっち、おっ、た、か?!?!」
「おらんっ!!あっち、みて、くるっ…」
「おれは、こっち、見ます!!」
「としょ、かんの方にもっ、みませ、んでしたっ!」
「ロボロっ!かんっ、し、かめら、は?!」
「見とる限りあんさんらしかおらん!ゾムの影すらもない!!」
「ゾム、さんっ!!」
彼らの中には、泣きながら探す人もいた。
だが、彼らの後悔は遅すぎた。
ある幹部は考える。
「っ…!!つき…つき……つきがみえる、ばしょっ!!!!」
「っ?!、なんのことやっ!」
「ゾムさんが、おれら、に、…その、まだ、されとらんだとき!おれ、とよくいっしょに、月がみえる、場所にで、て…それで、良く話しとった…」
灯台もと暗し。そんな考えで彼が見つかる訳がなかった。
そこで紺碧色の幹部は思い出した。
その考えは流石有能というべきか、幹部というべきか。
______幹部総員、城壁へ走り出す______
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。