ゾムside
収集…?
何があったんやろ……
『俺が観光客を、始末したから…褒めてくれるとかやったらええな……///』
浅い希望を抱いて、俺は会議室へ向かった。
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ドアを開けると、みんな真剣な顔をしていた。
…なんの話しなんやろ……
「お待たせ〜」
「すまんな。」
シッマと大先生が来た。
これで全員や。
「…では、会議を始める。」
『……』
ピリピリする……なんか緊張するなこれ……
「おい無能。」
『っ?!』
お、れ……?
「お前か……
…うちの兵士を殺し回っていたのは。」
『…ぇ……?』
みんなは一斉に目を見開いてこっちを見る。
違う。
『なんの、ことや……』
「お前やろ。監視カメラに映っとんねん。」
違う。違う違う違う。
『ちゃう、で……?』
「…まえ……ろ……」
『ぇっ?……』
「お前やろっっっ!!!!」グイッ
『ぅ''?…』
エミさんが俺の胸倉を掴む。
エミ、さん……?
「俺の大切な部下も…優秀なやつらも全員!!お前が殺したんやろ!!」
『ぇっ、ち、が!違う!』
「嘘つくなやこの人殺しがっ!!!」
『っぁ、……』
人殺し……違う。
違う。違う、違う違う違う違う違う!!
『何かの、勘違いや!!違う!俺は兵士のこと殺してなんか((( 「じゃあ総統室の前にちょっと残っとる血溜まりと監視カメラに映った映像はなんや。」 …それ、は!!』
「焦っとんのやろ?追い出されるって。」
『違うっ、話を、聞いて!!』
「誰が無能の声に耳を傾けんねん。」
違う。何かの間違いや。きっと、きっとあの観光客が他の兵士も殺し回っとって……!
『そう、…せや!あいつは観光客やねん!!』
「そんな訳ないやろ。」
『ぇ、…マンちゃん…?』
「名前呼ばんといてくれる?いつも顔見とるあの子おらんかと思えば、お前、観光客扱いしとんか。」
『っ違う!殺気が、あって!!』
「八つ当たりか?」
『ち、が!』
「なァ。八つ当たりやろ?無能無能って言われて。お前が無能やから悪いのに。なァ!八つ当たりやろ?!!」ドガッ
『ぐ、ぁっ!!』
「おい。あの子殺して嬉しかったか?!俺に信頼感寄せられとる、期待の目を向けられとるあの子に嫉妬したんか?!!答えろやっ!!」ガッ
『ちが、ぅ…しんじてぇ、や……』
「……お前も味わえよ。あの子は、お前に!!殺されたんやぞ!?死んだんやぞ?!お前死ぬ痛さ分かっとんのか!?!なァおい!!」ドガッ!
「オスマン」
「他の兵士も!!殺して楽しかったか?!!」ドガッ
「オスマン。」
「答え''ろ''よ''無能っ!!!!!」バギッ!
「オスマンッ!!!!」バァンッ
グルッペンが机を叩く。
『あ''、ぐ……』
「…なんやグルッペン。」
「そいつは俺から処罰する。そこまでにしろ。」
「こいつにも痛さ教えやなあかんやろ!!」
「いいから。止めろ。」
「っ……」
ドサッと落とされる。
『ぐっ……』
「無能。」
『…ぁ''』
「お前は……」
______……消えてしまえ。______
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!