コネシマside
「…次俺、ええか?」
許されやんかもしれん。いや、許されやんことをしたんや。せめて全部本音で気持ち伝えなあかんわ。
「俺、な…ちゃんとゾムが家族で、嬉しかってん…」
ゾムは弟みたいな所あって、俺はお兄ちゃんみたいな気分やった。
「でも、俺から家族って、仲良いって言っときながら、俺から突き放した……」
ほんま俺って嫌なやっちゃなぁ…
「バカみたいや俺…目の前の状況を正確に判断できんだ…ちょっとづつ分かってきとった。俺何してんねんって。」
「でも俺はアホみたいに周りに流されて……」
失望してんやろなぁ……
「俺は許してもらおうなんて思っとらへん。」
気づくのも、支えてあげようと思ったんも、遅すぎたんや。
「ただ、罪滅ぼしになった気分で、おりたいだけの、自己中な、ほんまクソ野郎や。」
やから……
結局俺は最低最悪なやつや。
これが俺からのせめてもの償いや。
「今まですまんだ。ゾム。」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!