第55話

chapter 54
3,086
2020/07/12 15:07
オスマンside




「次は俺。」









ゾムが、少し潤した目をこちらに向ける。









「俺は、外交官のくせにて、…」









いやちゃうな。









「仲間の、くせして…ゾムの嘘を見破れやんだ。」









俺はほんま大概な事やってきた。









「それどころか、火傷さしたり、クッキーに毒入れたり、嫌がらせ、した、り……」









あかん。弱いとこが出る。









「ゾムが嫌がって、苦しんでる姿を見て、優越感に浸っとった。」









「クソみたいなやつや。そんなんで、なんで三強なんて呼ばれて、こんなんばかみたいな勲章や。」









心が痛い。でもきっと、いや、絶対、それ以上にゾムはずっと痛かった。









「俺は許されやんでもええ。でも、外交官の護衛を、初めてゾムがしてくれた時、あったやろ?」









ゾムはコクリと頷いてくれた。









「あん時、めっちゃゾムが頼りになった、やから、また頼ってほしかって、嫌がらせしてもうたんもあるんや……」









ああ、ほんまに…









「自分でも意味わからへん…ごめんなぁっ、ゾム…っ」

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