ショッピside
「次俺ですね。」
強引。
俺はほんま、全てが強引や。何もかも。人の話なんて聞かず自分の意思のまんまに動く。不器用なヤツ。
「俺は、…俺はゾムさんのことは誰よりも尊敬してたんです。」
「ゾムさんの弱い所なんて、見たことなかった。だから、ずっと尊敬してました。」
この前軍団で殴り倒した時も、唇を噛み締めて涙なんて流さず、静かに俺らに殴られ続けた。
俺はそこでも尊敬した。おかしな話や。尊敬したなら止めろって。
「貴方の背を、ずっと追ってきました…」
話をまとめろ。なんでこんなことしか言えんのや。もっとまともな言葉を…
「…ゾムさんはみんなから愛されてましたよ。前も、今も。…俺らが愛してたのに、俺らが突き放しました…」
言葉が見つからん。なんて言えばええんや。
「……ッ、俺こんなん初めて、で…良い言葉なんて言えませんけど…」
戻れるのなら…
「…前の俺らに戻りたいです…」
「自分勝手すぎてごめんなさい、ゾムさん……」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。