僕は、病院に行った帰りに駅の近くのショッピングモールへ向かった。
海斗の妹、玲奈ちゃんにプレゼントを買うためだった。
何がいいかな…。
僕はまず、女子が好みそうなものがある雑貨屋に入った。
僕はあまり店員さんに話しかけられるのが好きじゃない。
軽く頭を下げて店員さんから逃げるようにして店を見た。
そういえば、髪の毛長かったか?
……あ。
僕は海斗のLINEのホーム画面を見た。
あいつは妹と仲がいいから、よく写真を変えている。
長いな、じゃあ、ヘアゴムにするか。
僕は、小学生でも似合いそうなヘアゴムを選ぶ。
押花が入ったものと、ビーズが綺麗なヘアゴムを買った。
会計を済ませ、店を出ようとした時、ふと美穂も誕生日が近かった事を思い出す。
ついでに何か買うか。
僕はもう一度店の中を回る。
1番最初に目に付いたのはネックレス。
でも、調べてみると入院中はネックレスなどのアクセサリー類は
あまり良くないと言う事が書かれていた。
じゃあ……
ふと横を見るとテディベアが置いてある。
なんとなく、美穂が好きそうだなと思った。
値段を見て見ると、そんなに高くはなく、ならばと思い、
テディベアにネックレスをつけることにした。
我ながら、女子が喜びそうだと思う。
綺麗にラッピングをしてもらい、店を出る。
帰る途中、2人とも喜んでくれるだろうが。
女の子にプレゼントあげるなんでいつぶりだろう。
などと考えながら家に帰った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!