第5話

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2018/07/24 04:35
その後、1時間ほど3人でたわいのない話をした。


美穂がいてくれて良かった。


僕とばぁちゃんだったらきっとこんなに会話なんて続かないし、


それにばぁちゃんがとても楽しそうに話していた。


そろそろ看護師さんが経過をみにくるというので、僕と美穂は、美穂の病室へ行く事にした。
美穂
学校のことを色々教えてもらおうかと思って!
ばぁちゃん
あら、いいわね〜
美穂
はい!
じゃあ、千恵さん、また来ますね!
僕も来るからね。
ばぁちゃん
2人ともありがとう。
楽しみにしてるわ。
 
本当に嬉しそうにばぁちゃんは微笑んだ。




となりの病室へ移動する。


美穂の個室もばぁちゃんと同じ間取りだった。
美穂
そこの椅子にどーぞ。
ありがとう。
っていうか、敬語じゃなくていいよ。同い年だし。
美穂
うん、わかった。
……。




会話が続かない。


何を話せばいいんだろう。


でも何か話さなくちゃ…。


なんだか気まずく、話題を頭の中で探し、焦っていると美穂が口を開いた。
美穂
そのー、私の事とか話した方がいいのかな…?
自己紹介とかって事?
美穂
あ、いや。私が学校に行けない理由とか…
あぁ、それは…美穂が決めて。
というか、話したくなったら話してくれればいいよ。
美穂
わかった。じゃあ、まずは!
涼くんの学校の話を聞きたい!
あー、えっと。
実は、そんなに友達居ないし…普通…?だと思うよ?
美穂
普通かぁ、
ねぇ、普通ってなに??
え?
美穂
私は、今の状態が普通なんだよ。
学校に行ける事は特別。
…ごめん。
美穂
あ、いや!謝んなくていいから!
えっと、私にも…わかるように言って欲しい…かな。
…うん、わかった。

僕は頷き、学校のことについて話し始めた。

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