第51話

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2018/07/28 05:37
涼くんへ




今この手紙を読んでるってことは、もう私はこの世から居ないんだね。



……なーんて、一回言ってみたかったの!!



いや、まぁ、本当に死んじゃってるんだろうけどね。





えっと、元気ですか?



私がいなくてもちゃんと生きてる?笑





まずは、涼くんにお礼を言わなきゃね。



今まで本当にありがとう。



感謝しても、しきれない。



あの日、涼くんと初めて会った日。話しかけて、良かった。



あの日から、私の人生が変わったようなもんだよ?



本当に。



毎日のように来てくれて、千恵さんともたくさん話せた。



涼くんのこともたくさん知れたし、学校のことも話してくれて。



でも、もっと、もっと…




君のことを知りたかったな。




涼くんが来てくれなかった時は、寂しかった。



涼くんとまだ出会ってない時に戻っただけなのに。



もう、何してくれちゃったの。笑



涼くんと一緒だと、何をしても楽しかった。



おしゃべりも、お散歩も、遊びも、全部!



だからさ、余計に1人だと寂しく感じるの。



涼くんが帰った後、静かになる。



それで、たまに、思うことがあるの。



「私はいつ死んじゃうんだろう。いつ涼くんと会えなくなるんだろう。」って。



だからね?誕生日プレゼントにくれたチャーリーは本当に嬉しかった。



チャーリーを見るたび、涼くんを思い出す。



それに、寂しくなんかなかったよ。



ありがとう。





私が一番楽しかったのはやっぱり、夏祭りかな。



人生で一番楽しくて、幸せな時間だった。



でも、花火を見てる時泣いちゃった。



もうこの花火を見るのも最後。



涼くんと外に出かけるのも最後だろうと思ったから。



涼くんは、何も言わず、手を握ってくれて嬉しかった。



ありがとう。





それから…君は気づいてたかも知れないけど、私は余命宣告をされてた。



少しずつ、体が悪くなるにつれて、薬の量も増えたし、副作用も強くなった。



それに伴って、不安や恐怖も増した。



それでも、涼くんがそばにいてくれて、良かった。



嬉しかった。安心した。



ずっと、私のそばにいて欲しかった。



それでね、ある時気づいたの。



私はね、いつの間にか、君のことが好きになってた。



好きなんだ。って気づいた時もなんか嬉しかったんだ。



人って好きって気づいたら、どんどん好きになっていくんだね。






今まで私を支えてくれてありがとう。



感謝の気持ちでいっぱいです。



これからは、私じゃなく、他の人をたくさん幸せにしてください。



私を幸せにしてくれたみたいにね。



それと、私の勝手な想像だけど、もし私のことを好きなら、忘れてください。



私以外の人のことを想って、好きになって、愛して。







それから、最後に。








私からのお願いです。









必ず、幸せになって。









どんな形であろうと、私は涼くんに毎日笑っていてほしい。






幸せであってほしい。






私は、涼くんが幸せでいてくれるのであれば、それで十分。





だから、幸せになってね。




じゃあ…また!




さよならは言わないよ?




また、こっちの世界に来たら会おう!




ちゃんと、報告してもらうからね!




本当にこれが最後です。





私を幸せにしてくれてありがとう。





支えてくれてありがとう。





笑顔にしてくれてありがとう。





君を好きになって、恋できてよかった。





大好きでした。






じゃあ、またね。







美穂

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