第53話

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2018/07/28 10:55
僕は、お母さんにお墓の場所を教えてもらった。




美穂の家から歩いて駅に向かい、何駅か電車に乗った。




地図を頼りに進んでいく。




すると、『橋口之墓』と書いてあるお墓を見つけた。




これだ…




僕は、お墓の前まで行ってしゃがんだ。




この中に美穂がいるんだ。




僕は、水をかける。


美穂。
お葬式、行かなくてごめんね。


喋りかけても、返事がないのは分かっている。




でも僕は、そのまま話続けた。

手紙ありがとう。
読んだよ。
それから、日記も読ませてもらった。


水をかけるのをやめて、次はお線香をたいた。

美穂。
僕、絶対幸せになるから。
ちゃんと見てて。
 

言いたいことは山ほどあったけど、僕はそれしか言わなかった。




それだけで、十分だと思った。


じゃあ、またね。


僕は立ち上がり、駅へ向かった。




今日も暑い。




もう9月だというのに。




まるで、美穂と出会った日のような天気だった。

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