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第1話

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2018/07/23 12:36
少しづつ暑さが増して来る、7月。


僕は、祖母のお見舞いに行くために病院へ向かっていた。


暑い…


僕は額にかいた汗を手で拭う。


こんなに暑くなるなら半袖のシャツを着てくればよかった。


しかも、制服だから、ズボンあまり通気性が良くない。


一度帰って、着替えればよかった。


まぁ、今更後悔しても遅い。


僕は、頭の中で何度も「暑い、暑い」と呟きながら早く病院に着こうと、足を動かした。





コンコンー

ばぁちゃん
はい、

返事をするばぁちゃんの声は、前に来た時よりも声が小さかった。


あまり体調が良くないのかも知れない。
ばぁちゃん、久しぶり。
ばぁちゃん
あぁ、涼くん。よくきて来れたね。
あら、汗びっしょりじゃない。なにか冷蔵庫から出して飲みなさいな。
うん、ありがとう。
冷蔵庫を開けて中身を見る。


お茶や、オレンジジュースなどの100%ジュース、炭酸飲料などが入っていた。


僕は、その中からソーダを選び、あけた。


プシュッという音と、心電図の音だけが、病室に響く。


そういえば、前来た時は心電図はしていなかったような…


僕は、ソーダを少し飲んだ後、ばぁちゃんに話しかけた。
最近はどう?
ばぁちゃん
うーん、そうだねぇ。
とっても元気だよ。と言いたいところなんだけど、少し悪くなっているみたいで。
そっか。

実は、あまり詳しく病気のことは知らない。


それに、病気なのかどうかも分からない。


ばぁちゃんは、1ヶ月前ほどからこの病院に入院している。


もうすでにじぃちゃんは亡くなっていて、ばぁちゃんは老人ホームに入っていた。


だがある日、体調不良を起こし、病院へ行ったことがきっかけで入院し始めたらしい。


ばぁちゃんは今年で94歳になる。


正直、老衰し始めているのではないかと思っている。
ばぁちゃん、寂しくない?
ばぁちゃん
大丈夫。最近、お話を聞いてくれる女の子がいるのよ。
へぇ、
ばぁちゃん
あぁ、そうだ。
売店で何か買っておいで。
ついでに、アイスを買って来てほしいなぁ。
うん、わかった。
今食べるの?

そう尋ねると、ばぁちゃんは微笑んで頷いた。
何のアイスがいい?
ばぁちゃん
それは涼くんに任せるよ。

そう答えながら、近くの引き出しからお財布を出して僕に差し出した。
わかった、ありがとう。
行ってきます。
ばぁちゃん
行ってらっしゃい、

僕は立ち上がり、病室を出た。

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