全然反省してないだろ…
今は、数学の勉強をしている。
学校に行ってはいるものの、ついていけないから僕に教えて欲しいと頼んで来た。
だから教えてあげてるのに…
この時の説明は聞いていたけど、なんだか上の空。と言った感じだっだ。
何かあったとかと思ったけど、美穂が言わないなら聞かないと決めていた。
病気のこともそうだった。
美穂が言いたくないなら、言わなくていい。
そう僕は言ったけど、会った次の日に美穂は教えてくれた。
美穂が急に胸を押さえ始め、苦しそうに息をした。
僕は急いでナースコールを押した。
ドアが開き、看護師さんが来た。
梨々香さんだった。
続いて、先生と看護師さんがもう一人来た。
素早く点滴をしたり、胸の音を聞いたり、僕には突然すぎて何が何だか分からなかった。
その光景を、ただ立ち尽くして見ていることしか……
僕にはできなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!