第27話

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2018/07/29 02:53
発作が治まると、僕は先生に呼び出された。
先生、美穂は…?
久我先生
今は寝てるよ。
美穂ちゃんたちの親が来るまでは涼くんと話そうかと思ってね。
さっき見てもらった通り、急に発作が起きる。
今まで、美穂ちゃんの発作が起きてる時にいたことがなかっただろう?
はい、
久我先生
突然のことで驚いたかい?
…はい。
病気のことは教えてもらっていました。
でも、こんなに…
久我先生
そうだよね、初めての人はそう言う。
それに、僕は…なにもできなかった……。
久我先生
違うよ。
君はなにもしてないわけじゃない。
だって、医療のことなんて、看護師や医師などの限られた人にしかわからない。
君には病気のことや、医療のことがわかるのかい?

僕は首を横に振る。
久我先生
そうだろう?
涼くんは、他のことで充分彼女のことを支えてると僕は思う。
君が帰った後、僕は夜に見に行くことが多い。
美穂ちゃんは、「今日は涼くんが〇〇してくれたんだ」とか、
「涼くんと…」ってたくさん話してくれるんだ。
君は、たくさん彼女に元気と、笑顔をあげているとおもうよ。

僕は…涙が止まらなかった。




僕には、美穂の病気を治せるわけじゃない。




でも……




なにもできないわけじゃない。




僕は、僕なりのやり方で、美穂をたくさん笑顔にして…支えて行きたい。




そう強く思った。


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