7月○日
最近、涼くんは忙しくて、あまり会っていない。
千恵さんのことで、バタバタしてるんだと思う。
千恵さんも、涼くんもいないなんて、寂しいな。
7月○日
最近、体調が良くなって来たから、外出許可が出た!
やった!
それで、先生に思い切って頼んで見た。
「学校に行きたいです」って。
そしたら、先生、すごく驚いて、涼くんの影響かな?なんて笑ってた。
どうしても行きたい。
少しでもいいから、高校生活を送って見たい。
私は、必死にお願いした。
許可、下りるといいな。
7月○日
学校に行けることになった!!
本当に嬉しい!
涼くんには内緒にして、驚かせよう!
もう少ししたら行くって言ってたから、私もそれに合わせて行こうと思う。
涼くん、私が行ったらどんな反応するかな?
7月○日
学校!ものすごく楽しかった!
本当に、先生にも頼んで良かったと思った。
学校行って、友達とかできるかな?ってすごく心配だったけど、みんな優しかった!
それでね?
涼くんが放課後来てくれて、「どうだった?」って聞かれたから、
「すごく楽しかった!今死んでもいい!」って答えたら、
「死んじゃダメだよ。」って言ってくれた!
平然を装ったけど、本当はものすごく嬉しくて、飛び跳ねたかった。
それで、改めて思った。
まだ私は、生きていたい。
私のためにも、涼くんのためにも。
生きるんだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。