ずっと欠席していた俺は居残りで勉強していた。
完全下校の時間からはかなり過ぎていて、
いつのまにか空も暗くなっていた。
長い廊下を一人で歩いていると、誰かが掃除をしている姿が見えた。
掃除当番は何人かで回すと聞いていたのに
明らかに一人だ。
ふーん、一人でやることもあるんだ。
そう思った時、
バタっ
大きな物音が階段の方からした。
急いで音がした方へ駆けつける。
すると女の子が一人転んでいた。
そう言った彼女が顔を上げた途端いい香りがした。
あ、
転んだ彼女はあなただった。
俺が心配していたあなた。
むしろ知らないことの方がありえない
…こんなにも可愛いんだし
クラスメイトの顔ぐらい覚えろよ。
今日も一緒の空間にいたのに、
それに俺は学校中から注目を浴びているのに、
泣きそうで、でも少し笑っていて
あなたが感情を表に出すところを初めて見た。
…いつも無表情なのに
うわあ、韓国にsmを知らない人がいるんだ。
あ、でも日本から来たんだっけ?
無理もないか。
あなたってこんなにも感情を表に出すんだ。
あなたの無邪気な笑顔。
あなたがあまりにも僕に興味を示していなかった事に対して驚いた、
何をあの子は聞いてたんだ??笑笑
僕の存在、smの存在すら知らなかった彼女。
それに俺に対してタメ口ではなしてくれる
そんなあなたなら俺の事を、
俺の事を芸能人でもsm練習生でもない
ただの同級生ぱくちそんとして、
接してくれるような気がした。
本当にただの予感でしかないけど。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!