第5話

𝟦
2,252
2022/08/21 14:52
ずっと欠席していた俺は居残りで勉強していた。



完全下校の時間からはかなり過ぎていて、
いつのまにか空も暗くなっていた。



長い廊下を一人で歩いていると、誰かが掃除をしている姿が見えた。







ちそん
ちそん
こんな時間まで大変だなあ


掃除当番は何人かで回すと聞いていたのに



明らかに一人だ。



ふーん、一人でやることもあるんだ。
そう思った時、



バタっ




大きな物音が階段の方からした。



急いで音がした方へ駆けつける。


すると女の子が一人転んでいた。

ちそん
ちそん
大丈夫ですか???
u
u
あっ、あっ、大丈夫です。

転んだだけなので
そう言った彼女が顔を上げた途端いい香りがした。


あ、
ちそん
ちそん
あ、あなたさん
転んだ彼女はあなただった。


俺が心配していたあなた。


u
u
え?私のこと知ってるんですか??
むしろ知らないことの方がありえない



…こんなにも可愛いんだし
ちそん
ちそん
当たり前です。

同じクラスじゃないですか


クラスメイトの顔ぐらい覚えろよ。



今日も一緒の空間にいたのに、



それに俺は学校中から注目を浴びているのに、


ちそん
ちそん
それに席近いですよ僕たち
u
u
ごめんなさい、

私韓国に来たばかりで色々環境が変わって…

色々混乱してるし、泣
泣きそうで、でも少し笑っていて


あなたが感情を表に出すところを初めて見た。



…いつも無表情なのに
ちそん
ちそん
大丈夫ですよ笑

僕も久しぶりに学校にきたし、

実は僕練習生なんです
u
u
え?

練習生?
ちそん
ちそん
アイドルを目指してて、

アイドルになるために頑張って練習してます笑
u
u
うわあ、すごい!!
ちそん
ちそん
そんなことないよ笑

あ、smって知ってる??
u
u
sm??

ごめん分かんないや…
うわあ、韓国にsmを知らない人がいるんだ。



あ、でも日本から来たんだっけ?



無理もないか。


ちそん
ちそん
帰ったら調べてみて、

多分知ってる歌手が一人はいるよ。

ちなみにsmは僕の事務所なんだ。
u
u
え、すごいところにいるんだ!!!
あなたってこんなにも感情を表に出すんだ。


あなたの無邪気な笑顔。
ちそん
ちそん
っていうか、

smの凄さわかってないよね?!
u
u
だって初めて聞いたもん笑笑
ちそん
ちそん
ほんとにびっくりするよ!!!!笑
u
u
そうなんだね笑

あ、名前聞いてもいい??
ちそん
ちそん
えーーーー、

僕前自己紹介したじゃん!笑

あなたがあまりにも僕に興味を示していなかった事に対して驚いた、


何をあの子は聞いてたんだ??笑笑
u
u
もう一回!!!

緊張しててなんも記憶ない!!笑笑
ちそん
ちそん
わかったよー笑

僕はぱくちそん!よろしくね。
u
u
ちそんあ!!よろしくね笑

僕の存在、smの存在すら知らなかった彼女。



それに俺に対してタメ口ではなしてくれる




そんなあなたなら俺の事を、





俺の事を芸能人でもsm練習生でもない




ただの同級生ぱくちそんとして、
接してくれるような気がした。




本当にただの予感でしかないけど。

プリ小説オーディオドラマ