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2021/02/22

第7話

5
ないとー
ないとー
あ、起きたみたい
気が付くと、俺はソファに横になっていた。

傍で男性の声が聞こえる。
カンタ
カンタ
……んん、
テオくん
テオくん
ほんとですね…カンタさん、大丈夫ですか?
目を開くと、見知らぬ男性がふたり、こちらを向いていた。
テオくん
テオくん
ここ、わかります?…さっきシルクさんから話を聞いたあと倒れてしまったと聞きましたが
どうやら俺はシルクさんから話を聞いたあと倒れてしまったらしい。

…夢じゃなかったのか、と落胆しながらも、

夢であってもこのままの方が楽だと気付いた。

こうやって心配して顔を覗き込んでくれる人がいるって、なんて幸せなんだろう。
ないとー
ないとー
もう大丈夫かい?カンタくん。さっきはシルクが一方的に話しすぎてしまって、混乱させてしまったかも知れないね。すまない
カンタ
カンタ
い、いえ…
ないとー
ないとー
俺はないとー。ここで働いてる
テオくん
テオくん
俺はテオです!インテリアや掃除担当してます。あとたまに受付も
カンタ
カンタ
僕はカンタです。すいません、何か
ないとー
ないとー
謝らなくていいんだよ。とりあえず今日は休んだ方がいい。部屋を案内するから
ないとーさんは優しくそう言うと、テオさんが立ち上がった。

どうやら部屋を案内してくれるらしい。

テオさんのあとに続いて、さっきトミーさんが出てきた扉の奥へ進んで行った。

そういえばたくさん部屋があるけれど、どのくらい広いんだろう…。

俺はまだ夢のような感覚で、ふわふわしている。

今頃、学校の先生や親は心配してくれているだろうか。
カンタ
カンタ
…あの、僕、シルクさんに聞きたいことが
テオくん
テオくん
所長ですか?…たぶんもうすぐ帰ってくると思います
さっきのシルクさんの話が衝撃的すぎて、俺はあまり覚えていない。

もう一度聞いて、頭を整理したかった。

そして、それ以外のことも。

彼はどこかへ出掛けているのだろうか。

……そういえば、この世界の街並みはどんな風になっているんだろうか。

小豆さんに着いてきた時はあまり注意深く見ていなかったが、

ここが地球ではなかったとしても、あまりに似すぎている。

やっぱりここは地球なんじゃないか?

寝ている間に連れ去られたとか?

…いや……でもな…。

カラン…
奥の方で、俺が小豆さんに案内されて中へ入ったときと同じベルが鳴った。
テオくん
テオくん
あ、所長が帰ってきたかも知れません。まず所長とお話されますか?
部屋へ案内してくれようとしていたテオさんは、方向転換してこちらを向いた。
カンタ
カンタ
はい
テオくん
テオくん
ではどうぞ
彼はドアを開け、手を中に向けた。

紅茶の香りが漂う受付へ踏み込むと、シルクさんはいた。
シルク
シルク
お、カンタ起きたのか
あまりにも自然に言われたから受け入れそうになったけれど、俺はまだこの人とほとんど会話をしたことがない。

きっと倒れていたことを心配してくれたのだと思い会釈する。
カンタ
カンタ
さっきの話ですが、
シルク
シルク
あー…まぁ、最初は信じられないよね。俺も最初にこの世界に迷い込んだ子を見たとき驚いたさ
カンタ
カンタ
最初の…子?
シルク
シルク
うん。君のような子はもう何人もみているよ。さっきいたトミーは君の2つ前だ
俺のような人は何人かいるのか。

トミーさんが2つ前…って、

地球には帰らなくていいのだろうか。

もしかして、帰れないとか、?

俺は一生この世界にいるのか?
カンタ
カンタ
他の方々はどうなったんですか?
恐る恐る聞いてみると、少し前にいたテオさんの肩が少し動いた。

何か言いたげな背中を見て、シルクさんに視線を戻す。
シルク
シルク
……この世界は、君が元いた地球ととても似ている。カンタが出てきた森は、地球とこの世界を繋ぎ合わせている働きを持っているらしい
質問とは少し違う答えが返ってきたが、

一語一句逃さないように

しっかりと耳を傾けた。
シルク
シルク
昔、地球から、カンタと同じくらいの年代の少年が数人同時にやってきた事があった。そのとき、彼らはパニックを起こしてこの街を荒してしまった。俺はそのときに彼らのような子を保護する施設を作ろうと考えたのだが…一部が、少年たちに腹を立て、もう誰も来ないようにあの森を壊そうとした。でもあの森が消えてしまえば、彼らは帰れなくなるかも知れない。だから俺はずっとあの森の研究をしている
シルク
シルク
…でも彼らは地球反対派の幹部に捕まり、数年後に亡くなってしまった。彼らの仕業は広く広まってしまったから捕まっただけで、何もしなければ気付かれない。しかし、今までのほとんどは森の研究が終わる前に幹部に捕まって殺害されるか、自ら逃げて行方不明になってしまうか……
シルクさんは窓の外を眺めながらそう言った。

遠くを見つめるその横顔が切なくて…

やはり現実味を帯びているこの人たちは

一体何者なんだろう。