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2021/02/18

第2話

1
俺は学校でいじめを受けている。

去年まではまだ我慢できるくらいの陰湿なものだったが、

今年に入り、少しずつエスカレートしてきた。


両親は共働きで、物心ついた時からはほとんど家にいなかった。

俺は生きている意味なんてないんだ。

俺は一体何をしているんだろう。

何故生まれてきてしまったのだろう。

どうせ人間はみんな死んでいくのに。
カンタ
カンタ
……はぁ
学校用のリュックからさっきクラスメイトに入れられた水浸しの体操着を出す。

もう何も感情は湧かない。

むしろ、無いものとして扱われるよりも存在していること認められているということのほうがよっぽどマシだった。

ため息をついて、誰もいない家を飛び出した。


辺りはもう暗い。

街頭を頼りに足を止めずに走った。

もう何もかもが嫌だったのだ。

こんなことを考えている自分も嫌いだ。

このままひたすら走り続ければ、

何処かで終わりが来て

そこで飛び降りたり出来ないものだろうか。
カンタ
カンタ
でもそんなことねぇもんな
結局俺は嫌だったのだ。

学校で居場所がないのも、

家でもずっとひとりなのも。

他人事のようにそう思った。

外に出れば沢山の人が行き交っているのに、

まるで世界に俺だけみたいだ。


しばらく走っていると、

人気の少ない公園に辿り着いた。

俺は無意識に敷地に入っており、

そのまま奥に歩いて行った。

どうやらここは森林公園で、山と繋がっているみたいだ。

喉が乾いていたので、微かに聞こえた水の音を頼りに木々の中を歩いた。
カンタ
カンタ
おぉ……
自分の住む町に今まで本当にあったのだろうかと錯覚するほどの大きな滝があった。

岩場を降り、水を両手で掬う。

とても澄んでいて、おいしい水だった。

ポケットに入れていたスマホを確認すると、

午後の9時だった。

疲れていたので、もうここで一晩を過ごそうかな、と考えたがここは少し不気味なので移動することにした。

空には月が出ていたが木々が生い茂っているせいで何も見えない。

スマホのライトを付けようと、また画面をつけてみると圏外と表示されていた。

思わず2度見する。

そんなに奥まで来ていたのだろうか。

……まあ、いっか。

俺は滝から少し離れたところで木にもたれて瞼を閉じた。