不思議なテレビ放送。
狐のお面をつけた2人が舞い歌っていた。
声は凄い透き通った男の人の声。
女の人は舞っていて、身体能力が高そう。
一番不思議だったのはその次。
金属バットで殴られた俺の腕の腫れが引き、
全く痛くなくなったのだ。
テレビは一切話さずに放送を終了。
俺達は何も出来ないので、そのまま就寝。
朝になり、俺は翔太達と野坂ダムに来た。
その理由は今日の命令にある。
09/04 00:00
To:GM
title:Return
※全国の中学生から29歳までが対象です
※24時間以内に従いなさい
※命令に背いた者には罰を与える
命令:水深10m以上に到達せよ
ダムには警察がいて、指示を出していた。
酸素ボンベと重りを渡すからそれで潜れ。
ただそれだけ。
朝早くに瑚子と悠も来て、チームの人達と
潜る準備をしていた。
警察官の美竹友紀さん。美竹さんは神崎さん
の親友の龍田さんの義妹にあたるらしい。
悠に急かされ、俺達はロープを下り、水の中
へ着水。
瑚子がゴーグルをつけ、水中に潜る。
俺も後に続いた。
初めて見る野坂ダムの水の中。
意外と深く、水は綺麗で底の方まで見える。
ん…?何だあれ…?
ダムの底に見えたのは、村のようなもの。
何件も家がある。
そう言えば、このダムが造られるからって、
村が1つ沈んだんだっけ…
だが、何処か様子がおかしい。
沈んだ村に何人もの大人が出入りしていた。
ライトを持っていたり、水中カメラを持っていたり…
やがて、壁に書かれた10m地点まで潜ると、
俺達は水面に戻り、警察の人にロープで引き上げてもらった。
何故か警察は慌てていた。
いろんなとこに電話をかけ、ノートパソコン
を触っている。
美竹さんは苦虫を噛み潰したような表情で、
誰かに電話をかけている。
俺達より先に命令を実行した翔太が不思議に
思ったのか美竹さんに聞いた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!