水を含んだ髪を搾り、菊池が口を開いた。
話を聞いて、菊池は性格はあまり良くない。
けど、勉強とかはちゃんと出来るんだ。って
改めて思い知った。
美竹さんが少し悲しそうな顔をする。
『私もよく分からないのよ。友人の翔馬って
いう馬鹿が「俺から死神にプレゼントだ。
死神専用でな、渡せばきっと分かるからお前
があの藍川真に渡しといてくれ。」と言って
頼まれたの。』
去年、俺と瑚子が生徒指導室に呼び出された
ときに桐崎先生の口からも”翔馬”という人物
の名前が出ていた。
声のした方向を見ると、いたのは…
クスクスと笑っている真。
美竹さんは真に近付くとこう言った。
真は無言で頷くと、脇にある茂みに入り、
走って行った。
指名手配になった白鷺と真。
真はあの時、否定しなかった。
いつもは違ったら否定するのに…
真…本当にお前が殺ったのか……?
俺は逃げた真を追いかけた…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。