第33話

柚輝の秘密
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2018/10/07 22:56
友哉の頼みで菊池がチームに加入して降参
したことにより、戦いは終わった。
まぁ、やっぱり僕、痛めつけられたからか、
気持ちでは動こうとするけど、体は全く動く
気配がなかった。
いじめられた時は普通なら震え泣くかもしれ
ないけど、僕は意識がぼっとして寝てしまう
癖があった。
今もとてつもなく眠くて、僕の意識はスグに
痛みの中で途切れていった…


















次に意識を取り戻した時、僕の耳には綺麗な
歌声が聞こえていた。
聞いていると、体の痛みが和らいでいく。
そんな不思議な歌。
夜霧 真
……おはよ…。
明神 柚輝
おはよう。
起きるといるのは柚輝君だけ。ここは僕の家
の地下室かな?
夜霧 真
柚輝君のそれ、凄いね。
明神 柚輝
まぁな。
柚輝君の歌には人を癒す力があった。例え、
どんな怪我であろうと死んでなければ治ると
いう生まれつきの凄い力。
明神 柚輝
……。
夜霧 真
ん?どうしたの?柚輝く…
いきなり黙った柚輝君。
僕は体を起こして、柚輝君を見るが、スグに
黙ってしまった。
さっきまで黒髪だった柚輝君の髪が雪のよう
に真っ白になっていたから。
真っ白な髪に真っ赤な目。
普通の人なら染めてカラコンで出来る。
柚輝君はそういうのをあまり好まない。
つまり…
夜霧 真
……先天性白皮症?
明神 柚輝
そうだ…。
先天性白皮症、またの名をアルビノ。
基本的には髪がブロンズなど色が薄くなり、
目の色は親が黒でも青とかになる。
けど、赤目になるのは物凄く珍しい。
赤い虹彩を持つ人は全人類の0.001%だ。
柚輝君は肌も白かったし、少しアルビノだと
気になっていたけど、髪の色がなぁ…
夜霧 真
僕は目も髪も綺麗だと思うよ。
素直に思ったことを言うと、柚輝君は驚いた
顔をして…
明神 柚輝
やっぱ夜霧は不思議な人だね。
そんなことを言ったのは母さん
以来初めてだよ。
そう言って、僕の前で初めて少し笑った。
柚輝君、こんな風に笑うんだ…。
昨日今日との怠そうな顔ではなく、目を細め
優しく笑った柚輝君の姿は、どこか新鮮味が
あった。
明神 柚輝
何かありがとう、元気貰った。
夜霧 真
こちらこそ怪我を治してくれて
ありがと。
柚輝君は人に心を閉ざしただけできっと元は
優しくいい人だったのだろう。
そんなことを思うと、僕は笑い返す。
明神 柚輝
さて、ちょっと仕事がある。
夜霧 真
あー、そうだね…
既にもう僕は何となく察していた。
柚輝君は後ろを向くと、まぁまぁの長さの髪を横にずらす。
そこには黒である絵が刻まれていた。
明神 柚輝
これ、分かる?
夜霧 真
勿論、分かるよ。
そこに刻まれていたのは ───