第19話

19、気持ち①
67
2021/05/02 12:36
中寺勇波
中寺勇波
で、話ってなんなの?
こうとは小学校一緒だし、龍輝たつきとよく一緒にいるから、結構話すことも多かった。中学2年の夏までは…
それからは、あまり話すこともなければ、関わることもない。俺から関わろうとしたこともあった。だが、なぜか光が関わろうとしない。
だから、何を言われるのか正直怖い。
藤谷光
藤谷光
勇波ゆうなって龍輝の事、どう思ってる?
中寺勇波
中寺勇波
え?
いきなり龍輝の事を聞かれ、驚いた。
中寺勇波
中寺勇波
ただの幼馴染みだけど…
藤谷光
藤谷光
ほんと?
少し嬉しそうな声で光は、聞き返した。
中寺勇波
中寺勇波
ああ、本当だよ?
藤谷光
藤谷光
よかったあ
光は、そう言ってホッとしていた。
中寺勇波
中寺勇波
なんで?
興味本位で聞いてみただけだった。
この質問が、俺の気持ちを気づかせるなんて思いもしなかった。
~放課後~
今日、勇波来るかな?
渡辺龍輝
渡辺龍輝
光!一緒に帰ろーぜ。
藤谷光
藤谷光
ごめん!今日用事あるから帰っちゃっていいよ!明日は一緒に帰れる!
渡辺龍輝
渡辺龍輝
おう。分かった!じゃあな。
藤谷光
藤谷光
じゃあね。
龍輝が教室を出たあと、俺はο‐×の教室に行った。
勇波が来るまでの時間がやけに長く感じた。
俺は、中学2年の夏、龍輝への気持ちに気づいたとき、勇波への羨ましい気持ちが強くなった。
俺は、確かに龍輝と仲がよく、一緒に遊ぶ事がものすごく多かった。
だが、一緒に遊ぶ時にはほとんど勇波も一緒だった。しかも、龍輝が一緒でもいいか聞いてくる。
今までは、仲良いなぐらいにしか思っていなかったが、気持ちに気づいたときには、ずっと一緒にいるのが羨ましかった。
それからは、遊ぶ時には勇波を断り、俺でも最低だと思うほど関わらないようにしていた。
きっと、勇波も本当は龍輝の事を好きなのかも。
そう思っていた…
だから、今日勇波に聞く。
龍輝の事をどう思っているのかを。

プリ小説オーディオドラマ