龍輝を好きなのかも、好きだったらどうしようと言う不安と恐怖に襲われながらも、勇波に聞いた。
勇波は、困ったような反応をしてから、
と言った。
なんとも思っていない。
勇波が、龍輝を好きではないと言っていて、少しだけ自分の耳を疑った。
そう何度も聞き返した。
と、勇波は何度も答える。
俺は、安心して、もう帰ろうとした時、勇波に聞かれてしまった。
あまり、答えたくなかった。
俺は、少し黙りこんだ。
そのあと、ある考えにたどり着いた。
俺が今、龍輝と付き合ってると言えば、勇波は龍輝に近づかなくなるかもと言う考えになった。
だから勇波に
そう答えて帰った。
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俺は、光が帰ったあと、すぐに帰った。
俺は、光と龍輝が付き合ってると知っても、別に驚かなかった。
ただ、胸に霧がかかってるようにモヤモヤした気持ちになっていることは分かった。
だが、今光と付き合っているなら、こんな、好きかどうかも判断出来ない俺が邪魔するのは、おかしいと思い、あまり関わらないようにしようと思った。
俺は、その話があった日以来、龍輝とは最小限の話しかしていない。
そんな日々が続いて、一ヶ月半程過ぎ、もう少しで春休みに入ると言う頃、学校が大きく変わることになる。
-------------キリトリ-------------
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。