体育館倉庫の裏。
俺はある男に呼び出されていた。
理由はじんたん。
俺はじんたんと付き合ってる。
この学校は男子校で、
つまりじんたんは、
アイドル的存在 ってわけ。
そんな学校のアイドルが
俺みたいなチャラい奴と付き合ってるのが
気に入らないって奴がいて、
呼び出されることが多くなった。
じんたんは優しすぎるんだよ。
でも俺はそんなじんたんを
好きになってしまったんだ。
自分とは正反対な優しすぎるじんたんを。
ほら、優しい。
俺はなんでこんなに優しいじんたんを
好きになってしまったんだろう。
…自分が惨めになるだけなのに。
じんたんはこんな奴と付き合ってて
幸せなんだろうか。
いっそ別れた方がいいんじゃないか、
と思う。
俺よりももっと良い奴がいるはずだ。
例えばみやとか。
かっこいいし優しいし、
じんたんにぴったりだ。
じんたんもその方が幸せになれる。
じんたんは ばか と言い残して
走っていってしまった。
to be continued .
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!