チュンチュン チュンチュン
小鳥の囀りを聞いて目が覚める。
といっても、まだ完全に起きれていない。
五 「あなた? 起きて。」
悟さんが優しい声で起こそうとしてくれる
が、まだ眠たい私は
私 「んぅ、、、、やぁっ。」
子どもみたいに嫌だと言って自分の顔を
悟さんのお腹に擦り付けた。
すると、悟さんが
五 「もぅ、朝から可愛いことするじゃん。
でも起きないと駄目だよ。」
そう言って、私の体を起こしてくれた。
私 「ん、悟さん おはようございます。」
まだ少し眠い目を擦りながら挨拶をした。
五 「おはよう。 あなた」
悟さんの声は心地よくて癖になりそうだっ
た。
五 「朝御飯はもう作ってあるよ。
僕はそろそろ仕事に行くね。」
"仕事"と聞いて気がつく、
私 「私も、仕事に行かなきゃ!」
ハッとして、急いで準備しようとすると
悟さんが腰に手を周して抱き締めながら
五 「あなたはもう仕事辞めたでしょ?」
と言われ、先日悟さんが退職届けを
出したことを思い出す
私 「そうだった。」
私は、ホッとした。
遅刻なんてしたら、給料なしの残業させら
れちゃうよ。
五 「そろそろ行くね。」
悟さんがそう告げて立った。
私 「わかりました。 行ってらっしゃい。」
私がそう言うと、フッと微笑んで
顔を近づけて来て、おでこにキスをした
私 「え?」
突然のことにビックリして
顔を赤く染めていると、
五 「行ってきますのチューだよ。
あなた、良い子で待っててね。」
頭を軽く撫でてから、玄関に向かい
私が逃げ出さないようにと鍵を閉めた。
逃げ出さないのに。
なんて思っても、愛されているんだなと
思うようにしている。
私 「(早く帰ってこないかな。)」
悟さんが出掛けてすぐにそう思ってしまう
私も、重症だろう。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。