五条side
五 「は?」
自分でも驚くほど低い声が出た。
周りの奴がビクついてたけど
そんなのどーでもいい。
何故って、、、、
あなたが勝手に部屋の外に出てるから。
ちょっとコンビニに出かけるだけだから
鍵をかけなかった。
それもあるし、
あなたのことを信用していたのもある。
でも、その短時間で部屋の外に出ている。
残念だ。
逃がすつもりはないけど。
また、躾直さないと。
そう思いながらエレベーターに乗り
最上階まで上がる。
そして扉が開いた瞬間に
あなたが突進するように乗り込んで来た
逃がさないように抱き締めると、
僕よりも強い力で抱き締められる。
私 「さと、、、る、、、さん、、」
あなたは涙声で僕の名前を呼んだ。
それは決して絶望とかじゃなくて、
悲しいという思いを含んだ涙声だった。
あなたを抱き締めながらニヤけてしまう
あなたはもう僕に依存してるから。
あなたはもう完全に僕のモノだ。
五 「あなた? どーしたの。」
理由がわかってるのに聞くのは
自分が主導権を握るため。
ま、そんなことしなくても
主導権は僕のだけどね。
あなたも悪い男に捕まったね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!