しばらくして、玄関のドアが開く音がした
私 「(悟さんだ❗)」
そのまま、足音はこっちに近づいてきて、
五 「あなた、帰ってきたよ。」
五 「今、鍵開けるね。」
そう言って、鍵をあけてくれた。
鍵をあけて、扉が開いた瞬間
悟さんが抱きついて来た。
五 「ただいま。 あなた」
よし、さっそく名前で呼んでみよう。
私 「お帰りなさい。 悟さん」
反応は?
五 「ポカン」
あれ? 思っていた反応と違う。
もしかして、
私 「嫌でしたか?
すぐにもとに戻しますね。
すみません。」
やっぱり駄目だったか、と肩を落とすと
悟さんが、
五 「駄目じゃないよ。
今度から、そうやって呼んでね。
命令だよ。」
ホッとした。
嫌じゃなかったらしい。
私 「はい! わかりました。」
元気よく、返事をすると
頭を撫でてくれて
五 「本当に、あなたは可愛いね。
食べたいくらい。」
人間はおいしくないらしいって
本で呼んだことがある。
私 「悟さん、人間はおいしくないんですよ。」
私がそう言うと、プッと吹き出して
五 「そう言う意味じゃないんだよ。」
と、言った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。