な に が 起 き た の か 分 か ら な か っ た 。
左 腕 の 肘 か ら 下 が 、 ふ っ と ん だ 。
喉 が 潰 れ た 。
声 が 出 な く な っ た 。
一 瞬 に し て 、 色 々 失 わ れ た 。
何も音を発せなくなったため、
皆と声をかけ合うことが不可能になった。
『 焦 る な 。 』
『 光 の 呼 吸 で 脳 と 心 臓 を 潰 せ 。 』
…兄さん達が、導いてくれている、
…がん、ばるよ…、私…ッッ
……今…、僅かな隙が出ているはず。
…鬼舞辻。
もう、これで終わりにしよう__?
消えるのは、お前だけじゃない。
心配しなくても…大丈夫だから…さ…、
光の呼吸_
“終の型”
“ 月 影 絢 爛 ”
生きなければいけないのは、あんただけじゃない。
…皆、生きる価値は一緒なんだよ。
でも、生きている間にどれだけ罪を犯すかで
これからの未来は変わるの。
…どうやらあんたは…
罪を犯しすぎたようだ。
…来世は…
そんな馬鹿なこと、しないでね…
心で言葉にしたいことを思って
私は瞼を閉じた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!