高校2年生の11月に入ったばっかりのある朝。
私は中庭でたくさんの女子に囲まれた、ある男の子に向かって背中を押された。
でも勇気が出なくて引き下がってしまった。
親友の間宮愛羅ちゃんが、私の手にある手紙を指さした。
高校2年の私、七瀬あなたは恋をしています。
お相手は学校で王子様的な存在の浮所飛貴くん。
いつも女子に囲まれていて、容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群という3拍子を兼ね備えている
入学式の日、方向音痴で、道のわからなかった私に、『一緒に行こう』って声を優しくかけてくれて…その日から浮所くんが好きなんだ。
浮所くんに告白しよう!と、ラブレターを書いて渡そうとしてるんだけど、勇気がなくて全然渡せない。
はぁ………。いつになったら渡せるのかな……。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。