キーンコーンカーンコーン
私には昼休みになると必ず行くところがある。
そこは屋上。
ガチャ
理由は1つ
そう、飛び降りるため。
フェンスの近くまで行き、そこから見える景色をただぼーっと眺める。
でも私には死ぬ勇気も生きる勇気もない。
だから、その先に足を踏み入れることは出来ない。
結局何もしないまま昼休みを過ごし、教室に戻る。
そんな生活を送っている。
それでも毎日ここに来るのは、いつか決心がついて飛び降りれる日が来ると少しだけ思っているから。
『愛情』『友情』
それは裏切りと常に隣り合わせで成り立っている。
家族だって血が繋がっていても、所詮他人に過ぎない。
人間はいつか必ず裏切る。
それなら最初から信じなければいいだけの話。
誰も信じられなくなった私に生きてる価値なんてない。
だから、いつか死ねるその日を待って私は毎日ここに来る。
……To be continued
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!